ドワンゴは11月14日、携帯電話のメールを使った情報配信サービスや広告配信を展開する新会社「ニワンゴ」を同日付けで設立し、広告事業に参入すると発表した。2ちゃんねるの管理人である西村博之氏をニワンゴの取締役管理人に迎えている。
ニワンゴは資本金9000万円で、ドワンゴが75.1%、西村氏が取締役を務める未来検索ブラジルが19.9%、携帯電話向けのコンテンツ制作会社であるCELLが5.0%を出資した。代表取締役にはドワンゴ事業開発部第二セクション担当部長の杉本誠司氏が就任。なお、社名のニワンゴは、「ドワンゴ」と西村博之氏の「二」を組み合わせたものだという。
*編集部注:社名のニワンゴの由来について、「『ドワンゴ』と『2ちゃんねる』を組み合わせたもの」と記載しておりましたが、広報から「ドワンゴと西村博之氏の『二』を組み合わせたもの」と修正がありましたので、記事を変更致しました。
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ドワンゴは公式コンテンツと呼ばれる課金コンテンツ以外の収益源を模索しており、今回の子会社設立は広告事業の第一弾となる。ニワンゴはさまざまなコンテンツや情報サービスをメールで配信するほか、コミュニティツールも提供していく考えだ。ドワンゴはこのほかにも、無料でユーザーにコンテンツや情報サービス、コミュニティなどを提供する、いわゆる勝手サイトを2006年9月期中に複数立ち上げる計画だ。
ドワンゴが広告事業へ参入するのは、課金コンテンツの制作費用や権利確保費用が増加して収益を圧迫しているためだ。ドワンゴは売上高の91%を着信メロディなどの音楽コンテンツに頼っている(表1)。しかしこの分野では市場の中心が着メロから着うたへと移ったことで、作曲者だけでなく楽曲演奏者などにも著作権使用料を支払う必要が出てきており、原価が上がっているのだ。また、着うたの場合はレコード会社などから楽曲の配信許諾を受ける必要があり、コンテンツを急拡大しにくいという問題もある。
表1:2005年9月期の売上高に占める各事業の内訳
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このため、ドワンゴ代表取締役社長の小林宏氏は「モバイルコンテンツを手がける事業者は、今後2年のうちに淘汰されていく」と危機感をあらわにし、新たな事業の柱を模索していた(関連記事)。
なお、ニワンゴの詳しい事業内容については11月29日から開催される携帯電話関連のイベント「mobidec 2005」で明らかにするとしている。
ドワンゴは同日、2005年9月期の通期連結決算も発表している(表2)。売上高の大部分を占めるコンテンツ事業の有料ユニークユーザー数が前期比32万5000人減の402万6000人となったが、着うたやゲームコンテンツの従量課金コンテンツが伸びたことで、増収増益となった。ただし、連結調整勘定の償却方法を前期までの5年均等償却から一括償却に変えたことと、4月のチュンソフト子会社化により8億6300万円を特別損失として計上したため、純利益は前期比64.3%減の8億5400万円となっている。
また、ゲームソフトウェア制作会社のスパイクの全株式のうち80%にあたる160株を10億2400万円で取得し、子会社化することも明らかにしている。スパイクは「爆走デコトラ伝説」シリーズ、「キングオブコロシアム」シリーズなどのヒット作を持つ企業で、ネットワークゲームの開発や携帯電話向けコンテンツを強化するのが狙いだ。
表2:2005年9月期連結決算
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