初期の写真技術から、家庭向けビデオプレイヤー、そして最近のインターネットに至るまで、アダルト向けコンテンツは昔からさまざまな最新技術にいち早く対応してきた。
そしていま、Apple ComputerのiPodに動画再生機能が追加されたことで、デジタルメディアプレイヤーで再生可能なコンテンツにポルノビデオが加わることになりそうだ。これは当然、世の親たちを悩ませることになる。
親たちは、子供がインターネットで何を見ているのかをチェックするだけでもすでに四苦八苦という状態だ。パソコンを居間などの目立つ場所に置いて、子供が年齢にふさわしいコンテンツを見ていることを確認できるようにしている家庭も多い。
ところが、アダルトコンテンツをiPodに手早くダウンロードしてしまえば、家の外でゆっくり見ることもできる。そうなれば親の監視の目は到底行き届かなくなる。
また企業の経営者も、社員が目にしているコンテンツを監視し、仕事関連などの職場にふさわしいものしか見られないようにすることに、大変な労力を払っている。職場で使用できるコンピュータは会社が所有するコンピュータだけのはずだから、適切なコンテンツが閲覧されているかどうかを監視することは可能だと主張する経営者は多い。
しかし、あれほど小さなiPodがここまで普及すると、それを利用して簡単にアダルト向けのコンテンツを職場に持ち込めてしまう。そうしたコンテンツを周りに気づかれないようにこっそり見ることもできる。社員がそうした行為を行うようになると、職務がおろそかになる。さらに、iPodに入れられたアダルトコンテンツを他の社員が目にすれば、職場環境はぎすぎすしたものになってしまうかもしれない。これは大きな問題だ。
それでは、どのような対策を取るべきか。
iPodでビデオが観られるようになった今、親は、iPodにダウンロードしたコンテンツを定期的にチェックすると子供たちに宣言するべきである。また、アダルトコンテンツのiPodへのダウンロードを禁止するため、現在開発中のフィルタも検討してみる必要がある。例えば、Cybersitterは、ポルノビデオがiPodにダウンロードされないようにするために必要なフィルタリングのプロセスを研究中だという。
iPodでアダルトコンテンツを観ることが本格的に広まった場合、経営者は当然そうしたコンテンツを職場で見ることを禁止しなければならない。それでも効果がなければ、ビデオiPodの職場での使用を禁止することも検討する必要がある。
インターネットやさまざまな携帯機器が登場したおかげで、ありとあらゆるコンテンツをますます手軽に楽しめるようになっている。もちろん、これには多くの利点もある。一部には、iPodでポルノを観ることができるのは、興味のある大人にとっては喜ばしいことではないかという人さえいる。しかし、そうした議論がどうあれ、家庭や職場に広がるiPodポルノに何らかの手を打つ必要があることには変わりはない。
著者紹介
Eric J. Sinrod
Duane Morris法律事務所サンフランシスコ支社勤務の弁護士。ITおよび知的財産関連分野が専門。同氏が週に1度発行するコラムを読むには、件名に「Subscribe」と記載したメールをejsinrod@duanemorris.comまで。ただし、このコラムの内容は、必ずしもDuane Morrisとその社員の意見を反映するものではない。
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