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今までのやり方は通用しない--激変するソフトウェアビジネス

Martin LaMonica(CNET News.com)2005年11月28日 13時57分
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 [ニュース解説] 業界再編に揺れるソフトウェア企業各社は、ここにきて、「適切な販売モデルを見つける」という新たな問題と格闘している。

 ソフトウェア販売におけるこれまでの典型的なモデルは、製品販売時点で代金を徴収するか、一定期間の利用に対するライセンス料金を徴収するかのいずれかであった。しかし、消費者と大手企業の両方が変化を求めるなかで、このようなモデルにはますます大きな圧力がかかっている。

 Microsoftの上級幹部が、広告収入に支えられたウェブベースのサービスが、同社の従来のビジネスを脅かしていると認めたことは、こうした状況をあらわす最近の出来事といえる。また、Microsoftの社内メモからは、消費者がソフトウェアの購入を渋るようになってきていることへの同社の懸念が読みとれる。

 ビジネスソフトウェア市場では、数年前から変化の嵐が吹き荒れている。PeopleSoftやSiebel Systemsなど多くの企業が買収され、また廃業に追い込まれた企業もあった。そして、大手ソフトウェア企業はいずれも、新たなソフトウェアライセンスの販売が以前よりも困難になったことを認めている。OracleやSAPなどの企業も、今では既存のメンテナンス契約の更新に依存している。

 投資家であり、ソフトウェア業界のコンサルタントであるM.R.Rangaswamiは、ソフトウェア業界のどの分野でも「いくつかの大規模な変化が起こっている」と述べている。「変化といっても、オープンソースソフトウェア、サービスとしてのソフトウェア、自作ソフトウェアといったものへの完全なシフトが起こるというわけではない。しかし、(そういったシフトが)市場に重大な影響を与えるかという問いへの答えは、確実にイエスだ」(Rangaswami)

 オープンソースソフトウェアの人気が、特にデータベースのようなサーバソフトウェアで高まったことを受け、MicrosoftやOracleなどの大企業は戦略を変更し、今では無償または低価格の製品を提供するようになっている。

 同様に、Salesforce.comなどの提供するによるホステッド・アプリケーションを使えば、企業は高額な料金を前払いする代わりに、月次経費として料金を支払っていくことも可能になる。このため、MicrosoftやSAPなどでも同様の製品を提供せざるを得なくなっている。

 アナリストや企業幹部らによれば、これらをはじめとする様々な要因が重なって、ソフトウェアの売買方法に劇的な変化が生じており、ソフトウェアプロバイダ各社は、プログラムが書き込まれたCDを顧客に販売する代わりに、ますますウェブや新たなライセンスモデルに目を向けるようになっているという。

 GartnerアナリストのJoanne Correiaは、「新たな収入源を見つけるのはとても重要であるため、(ベンダー各社は)あらゆる種類の契約モデルに目を向けている」と述べ、「市場が本当に成熟した時に起こるのは、顧客支配をめぐる人々の闘いであり、それは契約を通じて行われることになる」と付け加えた。

 特に大企業はソフトウェアの購入時に高額を一括で支払うのではなく、より少ない額を毎年支払う契約にするよう要求していると、これらのアナリストは指摘する。

 IT予算を緊縮化し、今後も微増に留めておくつもりの企業顧客は、ライセンス料やメンテナンス費を永続的に支払い続けるのではなく、短期の契約もしくは契約なしというモデルに目を向けている。

 例えば、TRW AutomotiveのグローバルCIOであるJoe Drouinは、製品をウェブベースのサービスとして提供するSalesforce.comの導入を検討しているが、その理由の一部は金銭的なことだと言う。TRW Automotiveでは現在SAPの製品を利用しているが、新しいアプリケーションに関しては費用の削減を検討していると同氏は説明する。

「今までなら、ソフトウェアとハードウェアに何百万ドルもの金額を支払い、それらを導入していた・・・(サービスとして提供されるソフトウェアなら)料金の前払いもなく、使用しながら支払っていけばいい。これはとても魅力的なモデルだ」(Drouin)

大きな変化に直面するMicrosoft  Drouinのような顧客のおかげで、ソフトウェア企業各社は急速に進みつつある業界の変化に歩調を合わせことを余儀なくされている。そして、最も顕著な変化の1つが、世界最大のソフトウェアメーカー、Microsoftで起こっている。

 Microsoft会長のBill Gatesは、オンラインサービスへのシフトを「大きな変化」として捉え、10年前に同社が行った、ウェブに対する積極的な取り組みに匹敵するとしている。

 Microsoftが今年9月に組織再編を行い、先ごろ「Live.com」というウェブベースのサービスを発表したことは、収入源をソフトウェアのライセンスだけに限定せず、サービスにも拡大するという同社の企業方針を強調している。

 同社はさらに「Microsoft Works」や「Microsoft Money」のような製品を無償で提供し、広告収入を狙うことも検討している。同社の社内向けの戦略レポートには、消費者がデスクトッププログラムを購入したがらなくなっているため、同社は次の手を打つ必要に迫られていると記されている。

CNET News.comが入手したこのレポートには、「消費者向けのパッケージソフトウェア市場は見通しが暗い」、そして「市場規模は縮小し続けており、消費者によるパッケージソフトウェアの購買意欲が減退している傾向が読みとれる」と記されている。

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