Web 2.0が検索サービスに突きつける課題 - (page 2)

インタビュー:永井美智子(編集部)
文:林信行、写真:津島隆雄
2005年11月30日 08時00分
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 AJAXも同じことで、やたらに使いすぎるとかえって使いづらいユーザーインターフェースになってしまいます。AJAXがもっともふさわしいところに、もっともふさわしい形で提供されるからこそ意味があるのです。我々は今、ちょうどそのさじ加減を模索しているような段階です。

 フォークソノミーについては、おもしろい話があります。世間では「フォークソノミーはインターネットの登場で初めて可能になった、新しい情報形成のあり方」などと賞賛されており、Wikipediaがその代表例として挙げられています。

 しかし、19世紀にOxford英語辞典が最初につくられた時も、やはりこのような大勢のボランティアの貢献があったようです。つまり、ボランティアによる貢献が情報を形成していくというフォークソノミーの概念そのものは決して新しくはないのです。インターネットというツールが出てきて、情報収集のスピードやプロセスが速くなったことが新しいだけなのです。

--MicrosoftのDerrick Connell氏はCJICの講演で、「これからユーザーは自分の体験をもっと自由にコントロールしたいと思うようになる」と強調していました(関連記事)。

 その主張は正しいと思います。ただし、ユーザーは常に自分ができることよりも多くを望んでいるということにも注意を払うべきでしょう。

 もっともいい例が、検索サービスの検索オプション(高度な検索)機能です。実際に検索でこうした機能を利用する人は全体の1〜2%に過ぎません。しかし、ユーザーに「この機能が欲しいですか」と尋ねると、驚いたことに40〜50%の人々が「YES」と答えるのです。

 本当に大事なのはユーザーが要求する機能をただ盛り込むのではなく、ユーザーが使える形で用意することにあると思っています。例えば、検索オプションが望まれているからといって、20個の入力欄からなる難しそうな検索オプションページを用意するよりも、もしかしたら検索欄は従来通り1つで、そこに入れた質問に対してより高度な回答をすることのほうをユーザーは望んでいるのかもしれません。

--最近ではデスクトップ検索やパーソナライズド検索も重要になってきていますね。Ask Jeevesのデスクトップ検索の今後の方向性を教えてください。

 デスクトップ検索やパーソナライズド検索といった分野は我々が開拓したといっても過言ではないと思います。

 デスクトップ検索は、2004年6月に我々がTukarooを買収したことから注目されるようになりました。我々は12月にデスクトップ検索の最初のバージョンをリリースし、他社はその後を追随した形です。

 我々は米国では既にバージョン2もリリースしています。このバージョンでは、ブラウザ上でコンピュータ上にどれだけのファイルやフォルダがあるかといった統計データも参照できるようになっています。

 我々はこの製品をより簡単で使いやすいものにしていこうと努力していますが、その一方でユーザーにこの新しいツールの啓蒙活動をしていかなければならないとも思っています。

 というのも、ウェブ検索と違って、デスクトップ検索ではまずアプリケーションをダウンロードしなければなりません。そしてその後も、ハードディスク上の情報のインデックスを作る作業が必要です。

 しかし多くのユーザーがデスクトップ検索をウェブ検索と同じようなものととらえているため、この2つの作業に耐えられず、デスクトップ検索を使うことをあきらめてしまっています。この2つの儀式に耐えて使ってみるといかに便利かということを、ユーザーにきっちりと伝える--これはデスクトップ検索時代を切り開いた我々に与えられた使命かも知れません。

--パーソナライズド検索についてはどうでしょう。

 先ほども申し上げたように、パーソナライズド検索も、Ask Jeevesが切り開いてきた検索分野の1つです。そして同時に、現在もっとも熱い分野の1つでもあります。GoogleとYahooも既に追随しています。MSNとAOLはまだのようですが。

 我々のパーソナライズド検索「MyAsk」ではユーザーが気になった検索結果を保存して、他の人と共有することができます。

 さらに重要なもう1つの特徴が、会員登録しないでも使えるという点です。世の中には、わざわざ会員登録するのが煩わしいと感じている人達が大勢います。また、会員登録している人でも、友達のバースデープレゼントを探しているなどの理由から、検索履歴を残したくないというケースもあるでしょう。こういったことにも配慮して、MyAskは、ログインしてもしなくても使えるスタイルにしたのです。

 ただ、ログインしたユーザーには、今後「同じ単語を検索したほかの人たちはこんな検索結果を得ていた」といったことを教えるような機能も用意できればいいと考えています。

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