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WSISでインターネットガバナンス問題を議論へ--グーグル、IBM、MSは現状維持を支持

Anne Broache and Declan McCullagh(CNET News.com)2005年11月07日 16時38分
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 インターネットに関する国連サミットの開幕まで2週間を切った今、ドメイン名に対する米国の絶大な影響力を維持しようとするBush政権の取り組みを、Google、IBM、Microsoftといったハイテク企業が支持している。

 インターネットの現状維持に向けた民間企業の取り組みとも言えるこの動きの中で、先の企業はワシントンで開催されたあるイベントに代表者を送り込んだ。一部の参加者の言葉を借りれば、このイベントの主なテーマは、現状のインターネットガバナンスにおけるセキュリティと安定だという。上記の企業以外にも、MCI、BellSouth、Cisco Systemsなどが同イベントに参加した。

 米商務省の通信/情報担当次官補、Michael D. Gallagherは、そのイベントの中で、米国には2億人のインターネットユーザーが存在し、世界の電子商取引のおよそ半数が集中していることから、インターネットの成長を何が何でも維持しなくてはならないという点で他国と立場を異にする、と語った。このイベントは、米国情報技術協会(ITAA)が主催した。

 国連とその関連機関の1つである国際電気通信連合(ITU)は、チュニジアにて11月16〜18日の日程で世界情報社会サミット(WSIS)を開催する予定だ。WSISが開催される目的の1つは、Clinton政権が創設した米カリフォルニア州に拠点を置く非営利組織ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)と米商務省の強い影響力を受けている現在のインターネットガバナンスに代わる新しい形について議論する場を米国以外の国々に提供することにある。

 各企業グループは長年、インターネットに対する国連の支配が強化されれば、税率の引き上げ、言論の自由の抑制、多くの新規則の制定などにつながるのではないか、との懸念を表明してきた。News Corpの政府業務担当バイスプレジデントRick Laneは「それこそがわれわれの最大の懸念の1つだ。つまり、(インターネットに対する国連の影響力が強まると)ICANNとは無関係の政治問題がインターネットの運営方法に徐々に影響を及ぼし始めるということだ」と語る。

 またITAAのHarris Miller会長は、「これまで米国政府は、インターネットに対する干渉を極力控えてきた。だからこそ、われわれは(ICANN以外の)国際機関は不要との案を支持するのだ」と語った。

 インターネットガバナンスのほぼ全てのコンポーネントは、地理的領域別に分配されている。インターネットアドレスは、欧州、アジア、ラテンアメリカなどの各地域の組織によって割り当てられ、国コードドメイン(日本であれば.jp)は現在、各国政府が管理している。

 「実際、ドメイン名システムは極めて分散的、非集中的に機能している」と語るのは、元ICANNの職員で現在はGoogleのシニアポリシーカウンセルを務める、Andrew McLaughlinだ。同氏はさらに「発展のベクトルを増やし続けるための最良の方法は、このドメイン名システムを大まかかつ軽度に調整されたシステムのまま維持することだ」と続け、仮に米国政府が「google.co.uk」のドメイン名を抹消しようとしても、それは不可能だ、とMcLaughlinは語る。

 しかし、ICANNは新たなトップレベルドメインを承認するほか、インターネットのルートサーバに対しある程度の影響力を行使している。ICANNは米国のカリフォルニアに拠点を置くため、一部の国々は、ICANNが米連邦政府と他国が不快に感じるほど密接な関係にあると考えている。そのため、ロシア、ブラジル、イランなどの国々は、インターネットガバナンスに関して、「一国の政府に飛び抜けて重要性の高い役割」を担わせるべきではない、との声明を発表した。欧州連合(EU)は2005年9月、インターネットガバナンス改革に向けた「強い覚悟」を表明した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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