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これでゆっくりスリープできる?--Windows Vistaの電源管理対策

Ina Fried(CNET News.com)2005年10月25日 17時48分
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 電源管理に関していえば、ほとんどの電子機器は「オフ」と「オン」しかない至ってシンプルなものとなっている。

 ところが、コンピュータ--特にWindows PCの場合には、話がもっとややこしいのがこれまでの常だった。もちろん、オンはオンである。しかしオフについては、Windows XPの動作するマシンの場合、ハイバネーション、スタンバイ、シャットダウンなど複数のオプションが用意されている。

 「ユーザーはこれらの違いを必ずしも理解しているわけではない」と、MicrosoftのPat Stemen(Windows OS部門プログラムマネージャ)は述べている。

 さらにひどいことに、ユーザーがハイバネーションとスタンバイ--これらはいずれもシステムを構成する大半のパーツの電源を遮断しながら、ファイルの状態を維持する--のどちらを選択すべきかわかっている場合でも、コンピュータのスイッチをつけたままにしてしまうことがよく起こる。これは、現在のWindowsでは、アプリケーションやハードウェア機器がPCユーザーの決定に拒否権を発動できるようになっているからだ。

 しかし、来年後半にリリースが予定されている「Windows Vista」では、こうした問題は起こらない。Vistaでは、コンピュータがスリープ状態に入ろうとする際にアプリケーションが通知を受け、データ保存作業に必要な1、2秒を確保することはできるが、ただしアプリケーションにはマシンがスリープ状態に入るのを止めることはできなくなる。

 MicrosoftはVistaで、PCの使い勝手を他の家電製品に近づけようとしている。つまり、電源ボタンを押すことで、ユーザーはマシンのオンとオフを切り替えているという感覚を抱くことができるようになる。

 実際には、PCの電源ボタンをオフにしても、マシン全体が停止するのではなく、ある種のスリープモードに入ることになる可能性が高い。PCメーカーは電源ボタンのオフに対して、シャットダウンや、Microsoftが開発中の数種のスリープモードを含む複数のオプションを割り当られるようになる。

 Microsoftによれば、オペレーティングシステムの変更が必要とされるのは、現行のオプションがうまく機能していないからだという。同社は顧客からのフィードバックで、Windowsユーザーは、複数の選択肢が用意されているにもかかわらず、マシンを常時オンにしておくかシャットダウンするかのいずれかを選択していることがわかった。つまり、ユーザーはハイバネーションやスタンバイを選ぼうとしない。その結果、Windowsユーザーは電力を無駄にするか、Windowsが再び起動する間待つことを余儀なくされている。

 Stemenは、ありがちなシナリオとして、モバイルユーザーがノートPCを閉じただけで、そのPCがスタンバイ状態になったと思い込んでしまうという例を挙げる。この場合、いずれかのアプリケーションもしくは他のシステムプロセスがスタンバイ要求を拒否すれば、ノートPCはオンのままとなり、バッテリの電力が熱に変換され続ける--そしてついにはデータの消失という事態になってしまう。

スリープ状態となる場合には

 Microsoftの計画によると、Vista搭載ノートPCの場合、マシンは電源ボタンのオフによってスタンバイモードに入るという。このモードでは、ユーザーがそれまで行っていた作業の内容すべてはメモリ上に保持され、そのデータを維持するだけの十分な電力がバッテリから供給される。もしもバッテリ残量が著しく低下した場合には、ノートPCはスタンバイモードを抜けてデータをハードディスクに保存した後、電源を完全に遮断する。

デスクトップパソコンの場合には、Microsoftが「ハイブリッドスリープ」と呼んでいるモードに入る。この場合、Vistaは電力の供給が絶たれた場合に備えて、システムの状態や他の情報をハードディスクに保存した上で、システムを迅速に元の状態に戻すことのできるスリープモードに入る。

 Vistaでも、ユーザーはスタートメニューを使って、コンピュータをシャットダウンすることはできるだろう。しかし、電源ボタンを押すだけでコンピュータを特定のスリープ状態にできる仕様は重宝されるはずだと、MicrosoftのGreg Graceffo(Windowsクライアントユニットのプロダクトマネージャ)はいう。

「エンドユーザーにとっては単純明快だ」とGraceffoは言う。「本当に知っている必要があるのはスリープについてだけだ」(Graceffo)

 Endpoint Technologies AssociatesのアナリストRoger Kayは、一般的に、電源ボタンまわりの仕様変更--とりわけスリープオプションをこれまで以上に魅力的なものにしようとする変更は、理にかなっていると述べている。

「問題となるのはユーザーエクスペリエンスだ」と述べる同氏は、従来のコンピュータでは電源のオン/オフに時間がかかりすぎるため、ほとんどの人はできる限りオンにしたままにしていると言う。また「電源ボタンをオフ/オンにするのにかかる手間は、人々がそうすることを厭わないぐらい少ないものであるべきだ」とも述べている。

 仕様変更にあたって、 Microsoftはある種のトレードオフを行っている。Windows XPでは、たとえばCDに書き込みを行っている最中にマシンをスリープさせようとすると、該当の書き込みプログラムはその試みに対して拒否権を発動することができる。

ところがVistaでは、アプリケーションにはそういった選択肢が与えられない。つまり、PCはより確実にスリープすることになる。そうなると、Coldplayの最新アルバムをCDにコピーしている最中に電源ボタンを押してしまった場合、そのコピーは失敗に終わる可能性が高い。

 「電源ボタンを押してしまったら、コースターにしか使えないCDが出来上がることになるだろう」(Graceffo)

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