ライブドアが通販大手セシールを買収する。グループのライブドアマーケティングの子会社化を目的に、セシール株を公開買い付け(TOB)する。
ライブドアマーケティングは、セシールに25.7%出資しているアジア物産の出資者と、アジア物産出資分をTOBすることで合意している。また、セシール株主の正岡道一氏と正岡嘉寿子氏、正岡美樹氏からもTOBすることで合意している。
ライブドアマーケティングは、セシール株の34.4%を取得することになる。TOB期間は10月24日から11月15日まで。買付価格は1株当たり1000円で、東証の株価過去3カ月の終値平均に6.3%のプレミアムをつけている。10月21日のセシール株は大引けにかけて急伸し、終値は前日比83円高(7.7円高)の1160円と高騰した。
また、TOBの成立とセシール臨時株主総会の承認などを条件として、さらにライブドアマーケティングに発行済み株式の20%、807万株の新株予約権を付与する。
右からセシール代表取締役社長の猪瀬具夫氏、ライブドア代表取締役社長兼CEOの堀江貴文氏、ライブドアマーケティング代表取締役社長の岡本文人氏
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なお、ライブドアマーケティングによるTOBでの買い付け株式数に上限を設定していないため、1社が一定数以上の株式を所有すると上場廃止になるという東証の上場基準に触れる恐れがあることについて、ライブドアマーケティングの岡本文人代表取締役社長は「株式を売却してセシールの上場を維持する方針」としている。
資本提携によりライブドアポータルの900万人のユーザーと、セシールの1500万人のユーザーを相互に連携させて、集客力や会員満足度、収益性の向上を狙う。セシールはライブドアデパートを通じたEコマースを展開するほか、消費者ローンや証券などライブドアの扱う金融商品の提供も予定している。
現在セシールで提供しているカタログ通販については今後も継続する予定で、ライブドア代表取締役社長兼CEOの堀江貴文氏は紙の一覧性やQRコードなどを利用したモバイルコマースを例に挙げ、「紙と通販は相性が良い」と語った。
セシールの代表取締役社長猪瀬具夫氏を含む取締役の進退については未定となっているが、TOB後にライブドアとライブドアマーケティングから過半数の役員が派遣された新体制となる。
堀江氏は「ライブドアグループはセシールとのシナジーを生かし、日本最大のEコマース事業者を目指す」と語った。
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