Yahooが傍観を決め込むことをやめ、ライバルのGoogleやMicrosoftが展開するAmerica Online(AOL)獲得合戦に参戦したようだ。
TheStreet.comは匿名の情報源を引用し、YahooがAOLと交渉中であることを伝えた。交渉がまとまれば、AOLの抱える数百万人という検索/ポータルユーザーや、現在はGoogleに流れている3億8000万ドルの広告関連収益がYahooのものになる。
YahooおよびTime Warner傘下のAOLの関係者は、この件に関するコメントを控えている。この話は、まずMicrosoft、そして次にGoogleとComcastが共同でAOLと交渉中との噂が流れた直後に出てきた。
Yahooが参戦すると買収費用が高騰する可能性がある。
Enderle Groupの主任アナリストRob Enderleは、「1つの資産を複数が狙う場合、競争が激化し、賭け金がつり上がる方向に進む」と語っている。
JupiterResearchのアナリストGary Steinも同意見だ。
「特にその(大量の)トラフィックを要因として、今は確かに各社がAOLに関心を示している。買収の引き受け手を探している明確な兆しがないにもかかわらず、AOLは一気に引く手あまたな存在になってしまった」(Stein)
Yahooの参戦に限って言えば、「2社が目を付けたのを見て、『ライバルに取られるのは絶対嫌だ』と考えた以外に、参戦の明確な理由は見あたらない」とSteinは推測している。
AOLは先ごろ組織を再編し、ビジネスモデルを大きく転換した。そして、インターネットから遮断していたコンテンツを開放し、新しいAOL.comポータルを立ち上げた。この動きは、Googleなどの検索関連のライバルにネット広告が流れるのを阻止するための措置だった。
「サイトの見直しには、その資産価値を高める目的もあった。Time Warnerがサイトに対する支配権を得た時から、サイトを手放したがっていたのは周知の事実だ」(Enderle)
ネットバブルを象徴するようなショッキングな出来事として、AOLは、約1600億ドル相当という膨大な額の株式交換によってTime Warnerと合併していた。
Enderleによると、Yahoo、Google、そしてMicrosoftがAOL買収を目指すのは、他社に対する防衛策の意味合いがあるという。
「MSNの設計がAOLをモデルとしているため、AOLとの相乗効果が最も高いのはMicrosoftだろう。3社のなかで(AOLを)最も必要としていないのがYahooだ」(Enderle)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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