ワシントン発--連邦控訴裁判所が、Amazon.comのよく知られた「1-Click」支払いシステムについて、他社が取得した電子商取引に関する特許に抵触する可能性があると示唆した。
Amazonおよびバージニア州の個人企業IPXL Holdingsは米国時間10月4日、連邦巡回控訴裁判所において陳述を行った。Amazonは、2004年8月にバージニア州アレクサンドリアの地方裁判所で開かれた予審に勝訴している。この予審では、Amazonの1-Click機能は注文/出荷を処理するよう設計されており、商品の支払いのためのものではないことから、特許侵害は発生しないという決定が下されていた。
IPXLが保有している米国特許「6,149,055」は、電子商取引を行うユーザーの情報を保管/予測/表示する「電子金融システム」に関するものだ。
Amazonにとっては皮肉なことだが、この1-Click機能を巡っては以前も訴訟が起きている。Amazonは数年前、同システムに対する特許を盾に取り、Barnes & Nobleのウェブサイト事業を停止させようとしたことで、さんざんな悪評を買った。この1件は、現在は解除されているものの、Free Software Foundationによる不買運動を引き起こし、Amazon CEOのJeff Bezosが特許問題についてつづった「公開書簡」を公表するという異例の事態に発展した。
IPXLの弁護士であるJan Conlinは4日、連邦巡回控訴裁判所の3名の判事に下級裁判所の裁定を覆すよう主張した。ConlinはAmazonの1-Clickについて、「書籍を注文し、出荷を手配するためだけのシステムではない。クリックするボタンに『1-Clickで今すぐ購入』と記されているのがその証拠だ」と述べている。
法廷では当事者双方に詳しい質疑が行われ、1-Click機能がIPXLの特許に規定されているような電子資金決済システムに当たるのか、あるいは商品注文システムの1要素に過ぎず同特許には必ずしも抵触しないものなのかという点に、議論の的が絞られた。Amazonは一貫して、Visaやその他のサードパーティ企業もこうした資金決済を実際に行っており、自社のシステムに同特許が適用されるのはおかしいと主張した。
だが、判事の共感を獲得したのはIPXLの主張だったようだ。「Amazonの株主総会で、1-Clickと代金支払いには何の関係もないなどと話したら、笑いものになるだろう」とRaymond Clevenger3世判事は述べ、「(Amazonの)システムには、もちろん資金決済機能が備わっている。さもなくばシステムが“倒産”してしまうではないか」と付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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