9月27日に青山ダイヤモンドホールでCNET Japan主催の「CNET Japan ウェブマーケティングセミナー」が開催された。このセミナーは、企業のウェブサイトをマーケティングツールとして活用するための最新情報の紹介を目的とし、「検索エンジンマーケティング」と「アクセス解析ツール」の2つのテーマで講演が行われた。
セミナー前半の「〜同業他社に差をつける〜検索エンジンマーケティングセミナー」と題された講演では、インターネットマーケティングの中でも注目を集めている検索エンジンマーケティング(SEM)の効率的な活用法について、最新テクニックが紹介された。講演者は、検索エンジンマーケティングを専門に手がけているアウンコンサルティングの代表取締役、信太明氏。初心者向けに「SEMとは何か」という話題から始まり、ウェブビジネスで同業他社に差をつける方法や勝ち組企業になるためのポイントを紹介した。
アウンコンサルティング代表取締役の信太明氏 |
信太氏は「SEMとはSEO(検索エンジン最適化)とP4P(リスティング広告)を合わせたもの」とし、まずはSEMの概要を説明しながらこれまでの歴史を語った。同氏は、サイトを検索エンジンに登録するまでをSEMの第1世代と定義し、第2世代ではSEOを実施、第3世代ではP4P、第4世代ではSEMのポートフォリオ(SEOとP4Pの融合)が行われてきたと言う。そして現在は、第5世代に突入していると説明した。
第5世代では、ブログを利用したコンテンツ連動広告、CMと絡めてユーザーに検索を促すマスメディア融合、トップページへのアクセスだけでなく、ユーザーの都合に合わせて目的のページにアクセスさせるLPO(ランディング・ページ・オプティマイゼーション)、そしてモバイルサーチの有効性を挙げていた。
オーバーチュアやアドワーズといった、有料で検索結果の上位を獲得できるP4Pについての説明もなされた。P4Pでは、マッチさせるキーワードを完全一致にするか部分一致にするかでコストが違ってくる。また、検索数の多いビッグキーワードを購入するよりも、より具体的に的を絞ったスモールキーワードの方が検索数は少ないがコストが低く、費用対効果も高くなるという。
「検索数が多いキーワードは、なんとなく探している人まで呼び込んで費用対効果が低くなります。この点を間違えると痛い思いをしてしまいます」と信太氏は注意を呼びかけていた。
一方、セミナー後半の「次世代ウェブ解析ツールSiteCatalyst(サイトカタリスト)のご紹介」と題された講演では、ウェブサイトのアクセス解析の最新情報として、オムニチュアのAPAC営業担当ディレクターの尾辻マーカス氏とテクニカルアカウントマネージャーの清水龍平氏が、アクセス解析ツール「サイトカタリスト」の機能を紹介した。
サイトカタリストはASP型のアクセス解析ツールで、仕組みとしては、専用のコードを解析したいサイトのページに埋め込むことで、ユーザーがサイトを訪問した際にデータセンターに必要なデータが保存されてそのデータを解析するというもの。その優位性について清水氏は、解析精度と高いROI、操作の容易性を挙げた。
オムニチュア テクニカルアカウントマネージャの清水龍平氏 |
たとえば、一般的なアクセス解析では、ロボット検索などの訪問者以外もカウントしてしまうが、サイトカタリストではビジネスアクションのみをカウントするので、より精密なレポートを入手できるといったことを強調した。
清水氏はウェブビジネス成功の鍵は、「サイトの目的を把握し、ビジネスゴールを明確にすること、そして目標を測定可能な指標で定義することが大切なポイント」だという。そしてビジネスゴールに結びつく指標で、ビジネスに合ったレポートを生成することが収益へと繋がると指摘する。
講演では、Eコマース型、コンテンツ型サイト、リード生成型サイト、カスタマーサポートを例にして、その実例がわかりやすく説明されていた。
オムニチュア営業担当ディレクターの尾辻マーカス氏 |
次に、サイトカタリストの具体的な機能紹介については、尾辻氏がEコマース型サイトを例にして、データから購入者だけを抽出して実売を調べる方法を実演して解説した。基本的なレポート項目に加えて、インプレッションやレベニューなどの指標を項目一覧からドラッグ&ドロップで選択できることや、レポート生成をPDFやExcelなどのファイルに加工できることを見せた。
「ウェブサイトからデータを収集するのは、とても大事なことです。しかし、肝心なのは集めてからそのデータをどう活かすかです。ウェブから得られる情報は、ウェブ管理者だけでなく、全社で必要なものになっているのです」と語り尾辻氏は講演を締めくくった。
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