第2ステージに入ったオールアバウトの事業戦略--100億円企業へ - (page 3)

西田隆一(編集部)2005年10月03日 13時00分

 リピーターの割合は3割ぐらいですね。その定義はどうするかですが、われわれの中でいうとロイヤルユーザーは3割ぐらいですね。

 インターネット事業では、いろいろな方が「読者を囲い込む」と言っていますが、読者は囲いこまれたいとは思っていません。そういう意味で、いろんな経路から何かを実現したいという読者が、ちゃんとコンテンツにたどり着くことを担保しておくことが重要だと思っています。

 われわれは、無料メールやニュースや天気予報のようなポータルのポジションに必要なスティッキーなコンテンツはあえてやっていないんですね。あるテーマや分野のトピックに対して目的をもつ読者が、直接でも検索エンジン経由でも必ずきてくださればいいと考えています。

--オールアバウトはその道のプロがコンテンツを書くというメディアです。しかし、インターネットの世界ではブログによってアマチュアがものすごい勢いでコンテンツを生み出しています。この動きをどのように見ていますか。

 コンテンツは増えてはいますが信頼できるかというと、まだまだごった煮ですよね。でも、これはインターネットの本質的なところであると思うのです。

 われわれがオールアバウトを始めるときに、メディア企業がコンテンツを発信している世の中から、いきなり個人が発信するのが中心となる世の中になるのかというと、やはりこの間には信頼できるメディアが必要なのではないかと考えました。そこで、オールアバウトは専門家集団でやったというわけです。

 単純にこの先、ブログと関係を持たないとは言っていません。そこにおいてオールアバウトが果たす役割は、いい人をつないでいくということだと思います。優良ブロガーを紹介していくことだと思うんですね。

 オールアバウトがブログの場を提供するのかというと、やることになったらやればいいのではないかと思うのですが、2つだけわれわれがこだわることがあるでしょう。

 1つはテーマ志向での展開です。ブロガーは個人志向なので、昨日の昼食のネタも書けば、車のネタも書くし、彼女のことも書きます。これはコンテンツ単位で役立つ情報があったとしても、そこにいけば何か必ず答えがあるというサイトではないです。なので、われわれはテーマ単位で人々をネットワークできるようにしていきたいと考えています。

 もう1つは品質です。コンテンツの品質をいかにわれわれは保っていくのかを考えることが必須だと思っています。いまのガイドに対しても品質を保つのに苦労してきているのです。ただ、そのノウハウもできてきたので、ブロガーにそういうノウハウを提供できるのではないかと思います。

 個人のブロガーの方々が自分をアピールするのに、「こういうことをやったほうがあなたのためになりますよ」というサジェスチョンをできるのではないかと思っているんですね。その辺をセットで、メリットを享受しあいながら、オールアバウトにつなげていくという考えです。もともと人をつないでいく、人の創造力を引き出していくのがわれわれの仕事だから、ブログは本線だとは思っています。

--昨期の売り上げが22億円で今期は34億円ぐらいを見込んでいます。5年後にはどれぐらいの売り上げ規模の会社に成長していると考えていますか。

 できるだけ早めに100億円の売り上げは超えたいと思っていますので、それぐらいの規模にはしていきたいと思っています。

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