ボーダフォンも「おサイフケータイ」--Suicaやクレジットカード対応は未定

坂本純子(編集部)、永井美智子(編集部)2005年09月20日 17時22分

 ボーダフォンは9月20日、非接触ICチップの「モバイルFeliCa」を搭載したシャープ製端末「703SHf」をはじめNokia製の「702NKII」、NEC製の「703N」、シャープ製の「604SH」など秋冬向けの新端末を発表した。また、703SHfの発売にあわせてモバイルFeliCaを使った新サービス「ボーダフォンライブ! FeliCa」を開始する。ボーダフォンの参入により、NTTドコモ、auと合わせて3キャリアがモバイルFeliCaサービスに対応することになる。

 モバイルFeliCaに対応する703SHfは、今回発表された中で一番軽い約109g。カラーは、若年齢層の女性ユーザーを意識した「ウェーブレッド」や男女を問わない「カーボンブラック」「コルクベージュ」の3つのラインアップで、幅広い年齢層に訴求する考えだ。ディスプレイでFeliCaサービスの利用履歴やポイントの参照ができ、通信機能を活用したオンラインチャージが可能。携帯電話を紛失した際には電話やメールによる遠隔操作でFeliCaをロックする機能も備えた。ロック設定については携帯電話にコールすることで確認できる。

 ボーダフォンがユーザーを対象にモバイルFeliCaサービスに関して調査したところ、全体の3分の1以上のユーザーが「必要である」と回答した。さらに、必要と回答したユーザーのうち、2割以上が「このサービスが提供されない場合には解約を考える」と回答。中でもヘビーユーザーにモバイルFeliCaのニーズが高い傾向にあるという。早ければ2006年中に導入される見込みの番号ポータビリティー制度なども考慮し、キャリアの変更防止への対策として対応を決めたと説明した。

 ボーダフォンでは2006年以降、第3世代携帯電話(3G)の普及価格帯以上の端末にモバイルFeliCaの基本搭載を目指すとしている。それに対し「少し遅いのではないかという考え方もあるが、(モバイルFeliCaが)定着しているいい時期だと考えている」(コマースサービス部 尾崎大輔氏)と慎重な姿勢も見せた。第2世代携帯電話のPDCについては市場の動向を見ながら検討するとしている。

発表会では、おサイフケータイをアーケードゲームのプリペイドカードの代わりとして利用するデモなどが実施された

 対応端末では、ボーダフォンライブ! FeliCa対応のVアプリをダウンロードすることで、携帯電話をかざすだけでの決済やポイントサービスの利用が可能になる。

 また、ボーダフォンライブ! FeliCaの特徴として、リーダー/ライターに端末をかざしたときに、Vアプリやメーラー、ブラウザ、ポップアップテキスト、バイブレーションなどのアプリケーションを起動できる。

 たとえば、何かを購入した人に対してブラウザを起動してスロットくじなどを楽しめるようにしたり、視聴覚が不自由な人へ購入処理の完了通知をバイブレーションで知らせたりするといった利用ができる。各機能の起動可否は任意に設定可能だ。

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