松下電器産業の北米法人のベンチャー部門が、組み込みLinux技術を開発する新興企業を支援する取り組みを開始した。
Panasonic Digital Concepts Center(PDCC)は、新たにTechnology Collaboration Centerを設立し、家電製品といった組み込み型コンピューティングシステム向けのLinux技術を開発提供する4〜5社の新興企業に投資を開始する予定だ。PDCCは、米国時間13日に発表したこの取り組みを通して、新興企業の技術開発やパートナー獲得を支援する意向だ。
PDCCおよび同社の親会社である松下電器産業は、家電向けのLinuxに力を注いできた。松下電器産業は、オープンソースを採用した先進的なセットトップボックスや3G携帯電話を販売している。また同社の関係者によれば、Linuxを利用した車載家電製品や家庭用AV製品も開発中だという。
組み込みLinuxの技術開発は、現在活況を呈している。組み込みテクノロジーを得意とするWind Riverも同分野に参入し、MontaVista SoftwareやTimeSysなどの専門企業に戦いを挑んでいる。
このほかFSMLabsは、自社のプロプライエタリ製品「RTLinuxPro」とLinuxを組み合わせるという、他社とは異なるアプローチを採っている。こうしたアプローチは、非常に高速で「リアルタイム」なレスポンスを必要とするアプリケーションに向けたものだという。
FSMLabsは米国時間13日にボストンで開催された「Embedded Systems Conference」で、同社のデュアルカーネルアプローチを利用すれば、8マイクロ秒(100万分の8秒)というレスポンスタイムを実現できると述べた。一方MontaVistaは、Linuxのみを利用する手法を採用して98マイクロ秒のレイテンシーを実現しており、同社によれば、これは標準的なLinuxカーネルの約100倍の速度であるという。
FSMLabsはまた、Advanced Micro Devices (AMD)のデュアルコア「Opteron」プロセッサを利用したシステムの速度実験を実施した。
一般的な組み込み型オペレーティングシステム(OS)を提供してきたLynuxWorksも、これにLinux製品を追加して、同カンファレンスでハイブリッドアプローチについて発表した。さらにソフトウェア団体LynxSecureは、Linuxの1バージョンである「BlueCat」とプロプライエタリOS「LynxOS-178」を、同一のコンピューティングシステム上の異なるパーティション内で動作できるようにしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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