MS、サイバー犯罪捜査官向けのサイト開設へ--トレーニングやツールを提供

Joris Evers(CNET News.com)2005年09月01日 15時27分

 カリフォルニア州モンテレー発--Microsoftが、サイバー犯罪捜査官を支援する取組みを拡大する。同社は、数カ月のうちに新しいウェブサイト「Law Enforcement Portal」を立ち上げる計画だ。

 Microsoftでワールドワイド法令遵守プログラム担当ディレクターを務めるRichard LaMagnaは米国時間8月31日、当地でHigh Technology Crime Investigation Associationが開催した年次イベントでCNET News.comのインタビューに応じ、同ウェブサイトの詳細を語った。同氏によると、このウェブサイトには、トレーニングやアドバイス、システムツールなど、サイバー犯罪捜査に関連する情報が掲載されるという。

 LaMagnaは、「警察当局のサイバー犯罪捜査能力の向上に貢献したい。サイバー犯罪の分野では特に、民間企業による支援が重要であると、Microsoftでは考えている。サイバー犯罪は、FBIやニューヨーク市警、税関が単独で取り組めるようなものではない」と述べた。LaMagnaは、連邦捜査員として勤務した経験をもつ。

 LaMagnaによると、Microsoftがオンラインで提供するトレーニングには、押収したWindowsマシンのハードディスクから情報を取り出す方法や、tracerouteやドメインデータベースWhoisなどを使った基本的なオンライン調査技術が含まれるという。

 「警察当局の中にも、特定のIPアドレス(までのネットワーク経路)やインターネットドメインについて、どう調査したらいいのか分からない人がまだ大勢いる」と同氏は述べた。

 同ウェブサイトには、法律に関する最新かつ詳細な情報も含まれる。またMicrosoftは、捜査官を対象にした専門的なテクニカルサポートも提供する予定だ。

 Microsoftは、これまでも警察当局を積極的に支援してきた。例えば、同社はここ1年の間に、米国と欧州でボットネットに関する訓練セッションを1回ずつ開催した。LaMagnaによると、3回目のセッションはMicrosoftのレドモンドオフィスで10月に開催されるという。

 ボットネットとは、攻撃者に乗っ取られたマシンの集合体で、セキュリティ専門家によると、スパムメールの送信や、悪質なコードの拡散、DoS(サービス拒否)攻撃、恐喝行為などの犯罪活動に悪用されるという。LaMagnaによると、Microsoftの新しいサイトではボットネットの検出を支援するソフトウェアツールも提供されるという。

 また、このサイトには、警察当局からの要請に対応するMicrosoft担当者の連絡先も掲載されると、LaMagnaは述べる。警察当局から受ける要請の一例として、同氏は、Hotmailユーザーに関する情報の提供を挙げた。

 捜査官向けのトレーニングは、サイバー犯罪と戦うMicrosoftの取組みのうちの、ほんの一部でしかない。同社は自らも、約50名の社員で構成される捜査チーム 「Internet Safety Enforcement」グループをもつ。同グループは、Zotobワームを作成したとされる容疑者を突き止めるなど、さまざまオンライン犯罪の捜査に貢献している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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