Internet Explorerに、パッチ未公開の脆弱性が発見された。発見者によると、攻撃者がこれを悪用してWindowsマシン上で悪質なコードを実行する可能性があるという。
この脆弱性の存在を明らかにしたカリフォルニア州ミッションビエホの独立系セキュリティ研究者Tom Ferrisによると、Windows XP Service Pack 2でInternet Explorer(IE) の最新版にあたるIE6が動作し、これまでに公開されたすべてのセキュリティパッチを適用しているマシンが、この脆弱性の影響を受けるという。また、同氏は、WindowsやIEの他のバージョンもこの脆弱性の影響を受ける可能性があると述べている。
このセキュリティホールは、攻撃者による「完全なリモートコード実行」を可能にするものだとFerrisは述べている。「ユーザーが悪質なウェブサイトにアクセスすると、知らないうちにPCに悪質なソフトウェアをインストールされてしまう」(Ferris)
Ferrisは、この問題の発見が自らの功績であることを強調し、同問題について、Microsoftには14日に通知したと述べた。同氏は、自ら運営するウェブサイトSecurity Protocolsに、同脆弱性に関する基本的な情報を公開しているが、攻撃者に有用な情報を与えるのを防ぐため、その詳細には言及していない。
Microsoftの広報担当は29日、Ferrisから報告があったことを認めた。同広報担当によると、Microsoftは現在、提出されたレポートについて調査中であり、脆弱性の存在をまだ断言できる状況でないという。
「現時点では、(同脆弱性を悪用した)攻撃は一切行われておらず、リスクも全くない」(Microsoft広報担当)
Ferrisによると、同氏はこのセキュリティホールの詳細情報のほかに、その実証コードをMicrosoftに提出したという。Ferrisは、自らのウェブサイトに、同脆弱性の影響でIE 6がクラッシュしたときのスクリーンショットを公開している。
Microsoft広報担当によれば、同社は調査の完了次第、ユーザーを保護するための適切な措置を講じる予定だという。脆弱性の修正パッチが、月例パッチとして提供される可能性もあれば、不定期に発行されるセキュリティアップデートとして提供される可能性もあると同氏は述べた。
セキュリティ監視企業Secuniaによると、IE 6にはパッチ未公開の脆弱性が他にもあるという。同社は2003年以来、同ブラウザの脆弱性に関するアラートを69件発行してきたが、そのうちの3分の1については、パッチが公開されていないと述べる。Secuniaは、今回発見された脆弱性に関する勧告をまだ公開していない。
FerrisがMicrosoftのソフトウェアに存在する脆弱性を発見したのは今回が初めてではない。Microsoftは8月に入り、Windowsの「Remote Desktop Protocol」に関する問題を報告した人物がFerrisであるとして、謝意を述べていた。
Ferrisは、今回発見された脆弱性や、その他のブラウザ脆弱性について、IE以外のブラウザを使うか、ウェブ閲覧時には十分な注意を払うことを推奨している。Microsoftは、ユーザーに対し、公開されているすべてのソフトウェアパッチをシステムに適用し、セキュリティソフトウェアのアップデートを行うよう述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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