連邦通信委員会(FCC)に新たな提案書が提出されたことにより、インターネット電話ユーザーに新たな税金が課される可能性が再び高まった。
FCCのユニバーサルサービスに関する連邦/州合同委員会が先週発表した27ページの資料(PDFファイル)には、ユニバーサルサービス基金(Universal Service Fund: USF)への税金の支払いをより多くの企業に義務付けるよう要求する内容が書かれている。
元Michigan Public ServiceのコミッショナーRobert Nelsonは、自身が執筆した提案書の中で、「公衆交換電話網(PSTN)を利用する全ての通信事業者に対し、一刻も早くUSFへの寄付を義務付けるべきだ」と述べ、さらに次にように続けた。「従来の長距離固定回線トラフィックの激減、VoIPの利用の増加、IPネットワークの普及によって、USFの力学に取り返しのつかないほどの変化が生じたため、この問題に対する早急な対応が必要である」
これは事実上、現在USFに寄付金を支払っていないインターネット電話企業の顧客に対し、新たな税金を課すことを意味する。Nelsonは23日に行われた電話インタビューの中で、すでにUSFに間接的に寄付金を支払っている企業についても、寄付金の額が増額される可能性が高いと語った。
Nelsonの提案書では、音声通話が可能なインスタントメッセージング(IM)プログラムなど、PSTNへの接続を必要としないインターネットベースのチャットプログラムや各種ユーティリティについては、今後もUSF税の支払いが免除される。
USFの資金は、地方や高コスト地域におけるサービスの助成に利用されている。長距離電話、携帯電話、公衆電話、一般電話の各サービスを提供している通信事業者は、売上の一定割合をUSFに寄付している。各企業は通常、それらのコストを顧客に転嫁しており、電話料金請求書の末尾に追加料金を付記し、電話料金といっしょに徴収する場合が多い。
FCCのKevin Martin会長は以前、新たな規制を設ける場合は、利用している電話サービスの提供元が、ケーブルサービスプロバイダか、VoIPサービスプロバイダか、携帯電話サービスプロバイダか、固定回線サービスプロバイダかを問わず、1つの電話番号を保有する全ての人に対し、同じ割合のUSFへの支払いを義務付けるべきだ、と語った。
Martinは、7月末に行なれた全米公共事業規制委員会(National Association of Regulatory Utility Commissioners:NARUC)の会合前に述べた声明(PDFファイル)の中で、「全てのブロードバンドプロバイダを対等な立場に置き、市場で公正な競争を行えるようにすべきだ」と語った。
VoIPサービスの利用者の中には、すでに電話料金と共にUSFに関連する料金を支払っている人もいる。VoIPサービスプロバイダの多くは、回線を利用させてもらっている電話会社にその使用料を支払わなくてはならないためだ。例えばVonageは、「規制回復料金」という名目で、電話番号1件当たり1ドル50セントを徴収している。Voice on the Net Coalitionのエグゼクティブディレクター、Jim Kohlenbergerによると、大手VoIPサービス企業の間では、その種の料金は「ごく一般的」だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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