ディスプレイ関連の新しい技術仕様が最終テストを通過すれば、いまよりも少ない数のケーブルで一段と鮮やかな絵が表示できるPCやテレビ、プロジェクタが登場することになる。
VESA(Video Electronics Standards Association)は現在、新たに提案された標準の検討を進めている。この「DisplayPort」という標準は、色数の増加、解像度およびリフレッシュレートの向上、そしてコンピュータとLCD、プラズマ、CRT、プロジェクタとの接続の簡略化を目指して考えられたものだ。
DisplayPortの仕様では、1本のケーブルで高品質のオーディオ/ビデオ信号を送ることが可能になっており、4芯ケーブルを使ったデータ転送レートは最大10.8ギガビット/秒となる。
VESAメンバーのBill Lempesisによると、DisplayPortでは画質が向上するという。DisplayPortでは帯域幅が拡大するほか、画像が再読込ではなくリフレッシュされて画面上のパフォーマンスが改善されるためだ。
「いずれこの新規格が、何年も前からあるDVI(Digital Visual Interface)やVGA(Video Graphics Array)にとって代わることになる」(Lempesis)
VGAやDVIは、PCなどの電子機器の背面に装備された複数のピンを持つコネクタ。VESAは、VGA端子の占めるスペースが大きすぎる点や、高品位コンテンツ向けに設計されていない点に不満を表明している。また、Lempesisによると、DVIインタフェースはHD(高品位)テレビをサポートするものの、DisplayPortのようなデバイス間の双方向通信ができないという。
DisplayPort仕様は、ATI Technologies、Dell、Genesis Microchip、Hewlett-Packard(HP)、Molex Incorporated、Nvidia、Royal Philips Electronics、Samsung Electronics、およびTyco Electronicsの各社が5月に草案を作成し、標準認定のために今週はじめにVESAに提出した。
VESAは、ハードウェアやソフトウェア、PC、ディスプレイ、コンポーネントを扱うメーカー各社に加え、ケーブル/電話事業者やサービスプロバイダーからも代表者が参加する国際非営利団体。VESAのメンバーは今後、インタフェース提案を審査し、企業各社が今後の改訂版を提起できる掲示板を設置する。Lempesisの概算では、VESAは6カ月以内に審査プロセスを完了させるという。つまり、来年までにはDisplayPort互換のデバイスが市販されることになる。
DisplayPortには、PCとモニタやプロジェクタ、PCとテレビ、あるいはテレビとDVDプレイヤーなど、ディスプレイの接続に関する複数の仕様が含まれている。
Lempesisによると、この仕様ではLDVS(低電圧差分信号)の設計が向上しており、ノートPCと手元にある液晶ディスプレイとを接続する際に必要な配線の数を減らせるようになる。
同標準はさらに、オプションでコンテンツ保護機能も実現する。Lempesisによると、これは自動的に同標準に組み込まれるわけではなく、準拠するディスプレイが不正コンテンツの表示を防ぐモジュールを、メーカーが追加する形になる。映画業界がこの機能を歓迎するのは確実だと同氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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