ブッシュ政権が、オンラインポルノ専用の仮想赤線地帯が誕生することへの懸念を理由に、「.xxx」ドメインの設置に異議を唱えている。
商務省次官補のMichael Gallagherは、.xxxに関する詳しい調査が終わるまで、新しいトップレベルドメインを設置するという契約の履行を保留するように求めた。同ドメインは、米国時間16日に最終承認されることになっていた。
「ポルノが一般家庭や子供に与える悪影響を懸念する市民から、6000通近い書簡や電子メールが商務省に寄せられている」とGallagher次官補は米国時間11日付けの書簡のなかで述べている。この書簡は15日に公開された。
通常はあまり関心を呼ばないドメイン割当プロセスに、政府が突然興味を示したことで、ドメインネームやIPアドレスを世界規模で管理しているICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)は厄介な立場に立たされることになった。ICANNは6月に.xxxドメインの導入を承認しており、今週には同ドメインを運営するためのICM Registryとの契約が承認されることになっていた。
他国の政府も、.xxxドメインを阻止するために直前ぎりぎりまでICANNに圧力をかけていた。米国時間12日に送付されたICANN政府諮問グループの書簡には、「最終決定を下す前に、政府や社会政策関連のさらなる懸念を考慮する時間的余裕が欲しいため、承認の停止を求める」と書かれていた。
この件に関して、.xxxレジストリを運営することになっている営利企業ICM Registryは、ICANNに対して、ブッシュ政権や他国の政府が提起した「懸念」に対処するために1カ月程度の延期に同意する用意があると述べている。
各国政府から圧力をかけられたことは、ICANNの7年にわたる歴史のなかではこれまでになく、同グループはこれにより微妙な立場に立たされることになった。仮に.xxxの設置を見送った場合、同グループは政治的な干渉に屈したと見なされる可能性がある。しかし、反対にその設置を強行すれば、国連がインターネットの管理にますます大きな関心を示すなかで、同グループは各国政府からの支持を失うことになりかねない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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