Googleが先月、Kai-Fu LeeをMicrosoftから引き抜いた際、それが法廷闘争に発展する可能性を予想していたことが、先週開示された裁判資料から明らかになった。
ワシントン州キング郡高等裁判所に提出された訴状によると、Googleは、LeeがMicrosoftとの間で結んだ非競争条項を理由に、Googleへの移籍を禁じられた場合、12カ月の有給休暇を用意するとの代替案を考えていたという。
Googleが数週間前に採用したLeeは、Microsoft時代に中国での研究開発拠点を開設した経験の持ち主で、Googleは中国における自社の研究開発拠点の責任者にLeeを任命するつもりだった。MicrosoftとGoogleは、Leeが2000年にMicrosoftと交わした雇用契約にある非競争条項をめぐって争っている。
GoogleとLeeは、非競争条項に法的効力がないことを認めるよう裁判所に訴えている。しかし、先ごろ開かれた聴聞会では、判事が一時差し止めを求めるMicrosoftの要望を認め、LeeがGoogleでMicrosoft在籍時と同様のいかなる職務を遂行することを禁じた。この裁判の争点は、9月6日に開かれる仮命令の口頭弁論と、1月開催予定の公判で審理される。
LeeがGoogleと交わした雇用契約には次のような一節がある。「雇用契約の非競争もしくは非開示条項を理由に、Kai-Fu LeeはMicrosoftとGoogleの両社に勤務できないとする禁止命令をMicrosoftが勝ち取った場合、Googleは、差し止め期間中について入社初日から起算して12カ月を限度に、Leeに有給休暇を与えるか、もしくはコンサルティング契約を結ぶものとする」
この裁判資料によると、Googleはこの1年の期間中、賞与や各種手当てを支払うことや、フルタイム勤務扱いでストックオプションを付与することにも同意している。
MicrosoftとLeeの雇用契約には、Leeが直接競合する企業には1年間勤務できず、Microsoft在籍時と同じような仕事をすることも禁じる、とある。
この件について、MicrosoftおよびGoogleからはコメントを得られなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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