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戦略不在?セキュリティ企業買収を繰り返すマイクロソフト - (page 2)

Joris Evers(CNET News.com)2005年07月26日 12時10分
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 Microsoftが引き続きセキュリティを重視しているのは、同社がセキュリティ企業の買収を繰り返していることからも明らかだと、アナリストらは指摘している。

 しかし、Jupiter ResearchのシニアバイスプレジデントDavid Schatskyは、Microsoftが買収を繰り返していることで、同社自身の開発力不足が浮き彫りになっているとも話す。

 「Microsoftは他企業の買収と同様に、社内における開発にも大きな力を入れている。これはつまり、これまで成し遂げてきた独自のセキュリティ機能開発のペースに、同社が満足できていないということを表している」(Schatsky)

 Trustworthy Computing Initiativeの立ち上げ後、Microsoftは自社技術の安全性を高めようと、ソフトウェアの開発法を変更してきた。例えば、「セキュリティ開発ライフサイクルプロセス」は、製品を市場に投入する前に、コードを入念に検証するためのものだ。Microsoftはまた、PC向けの「Windows Firewall」やサーバコンピュータ向けの「ISA Server」ファイアウォールといった保護プログラムを、自社で開発している。

 社内では開発に力を入れ、社外では買収を繰り返してきたことで、Microsoftは幅広いテクノロジーを保有するに至った。問題は、これらの技術をどのように組み合わせ、同社の製品ラインアップと連携させていくかということである。Directions on MicrosoftのCherryは、「他企業を買収することが重要なのではない。取得した技術を、既存の製品およびサービスにいかに統合するかが大切なのだ」と述べている。

 そしてそれこそが、Microsoftがまだ着手できていないことだとCherryは続ける。Microsoftは2003年にGeCadを買収したが、そのウイルス対策技術はMicrosoftの製品に活かされていない。Cherryは、確かにMicrosoftは悪質なコードを検知するツールをセキュリティパッチとして提供しているが、これは「GeCadの買収が完全に還元された」ものとは言えないとしている。

 Giantのスパイウェア対策製品は、同社買収から1カ月以内にWindows AntiSpywareのベータリリースに組み込まれたが、しかしこのソフトウェアは7カ月経った今でも最初のベータ版の状態にある。同製品の正式バージョンがいつ登場するかは明らかにされていない。

 買収で手に入れた技術の統合にはしばらく時間がかかると、MicrosoftのRobertsは言う。「他のたいていの投資と同じく、技術への投資にも時間がかかるものである。これも、その技術のもつ潜在力を存分に発揮させるためだ」

 Microsoftでは自社製品の開発に追われているようだ。同社は先頃、サブスクリプション形式で提供する予定のウイルス/スパイウェア対策プログラム「OneCare Live」を、一部のソフトウェアテスターに公開した。このサービスでMicrosoftは、これまでSymantecやMcAfee、Trend Microといった専門ベンダーの 領域となっていたウイルス対策分野に参入することになった。

 しかし、Windows AntiSpywareの場合と同じく、MicrosoftはOneCare製品完成版の投入時期を明確にしておらず、米国では一般向けのパブリックベータが今年中に出される予定だと述べるにとどまっている。

 Microsoftは先月、Sybariの買収作業を完了した。同社は引き続き、Windows向けのさまざまなSybari製品を提供していく。また、同社は買収前に出されていたSybari製品をサポートしていくと述べたが、UnixおよびLinux向けのツールについては販売を中止する予定だという。

 Jupiter ResearchのSchatskyは、Microsoftが今後は買収のペースを落とすことになると予想している。

 「同時に、統合のペースが速まる可能性もある。同社はこれまでに多くの新しい技術を手に入れたが、これらはいま製品に統合される必要がある」(Schatsky)

 今後数カ月の間に、Microsoftのセキュリティに関するグランドプランが浮上してくる可能性もある。しかし、現時点で一部の業界インサイダーらは、同社の買収のパターンを目にして、その意図を図りかねている。Microsoftは先ごろ、電子メール関連のセキュリティサービスプロバイダーであるFrontBridgeを買収したが、電子メール用セキュリティアプライアンスメーカーのBarracuda NetworksでCEOを務めるDean Drakoは、Microsoftがこの買収で何を狙っているのかという問いに、首をかしげる。

 「Microsoftはこれまで、サービス企業というよりもソフトウェア会社だった」とDrakoはいう。「現時点でMicrosoftにいったい何が起きているのか、私にはわからない」(Drako)

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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