Microsoftは、セキュリティ企業Finjan Softwareに出資するとともに、Finjanが保有する特許のライセンスを取得することを決定した。Micorosftがライセンスを受ける特許には、セキュリティ上の未知の脅威からシステムを保護する技術などが含まれる。
米国時間20日に発表された今回の提携により、Microsoftは、Finjan(本社:カリフォルニア州サンノゼ)の非公開株の一部を取得する。また、Microsoftは、Finjanが開発したアイデアを今後の製品に使用することが可能になると、Finjanの社長Nick Searsは述べた。
「セキュリティ分野でFinjanがここ9年間かけて開発および獲得してきた幅広い範囲の特許が、本提携の対象となっている」(Sears)
買収に関する金銭的な条件は明らかにされていない。
Microsoftは、数年前からセキュリティ分野への進出を図ってきた。これまでにウイルス対策やスパイウェア対策に関する技術を獲得してきた同社は、こうした技術を利用した製品を市場に投入する準備を進めている。また、Microsoftは現在、製品を開発する際にセキュリティを最も重視しているという。
Microsoftにライセンス提供される特許には、インターネットトラフィックの監視方法や、セキュリティポリシーに基づいて悪質なプログラムの侵入を防ぐ方法に関するものが含まれると、Searsは述べる。Finjanのソフトウェアは、コードの振る舞いをもとに悪質なものを検出するので、企業はこれを利用することにより、全く新種のウイルスやスパイウェアが自社ネットワークに侵入するのを防ぐことができると、同氏は付け加えた。
Microsoftがライセンス取得するのは、Finjanが特許取得しているアイデアに限られ、ソフトウェアのコードのような実質的な技術はこれに含まれないとSearsは述べた。Searsによると、特許の使用方法はMicrosoftに完全に一任されているという。「Microsoftがどのような開発計画を立てるかは、契約には記されていない」(Sears)
Microsoftは、Finjanが開発したアイデアを製品でどう利用するかについて、明らかにしていない。「Microsoftは、自社が重点的に取り組んでいる分野や、顧客に革新的なセキュリティ技術を提供するうえで役立つ分野の特許に関して、Finjanから非独占的ライセンスを取得した」と同社の広報担当は、電子メールで発表した声明のなかで述べた。
Microsoftは現在、製品での使用が見込まれる技術を取得する戦略を進めており、今回のライセンス契約もその一環として締結された。Microsoftの関係者によると、同社は、Sun Microsystems、InterTrust、 ContentGuard、Citrixなどの企業とも特許ライセンス契約を結んでいるという。
Finjanでは、これを機に他の企業とも同様の契約を締結していきたいと考えていると、Searsは述べる。しかし、同社には、知的財産のライセンス企業に変身する意向はないという。「われわれは、あくまでも製品を提供する企業だ」とSearsは述べる。
Finjanは、電子メールやウェブトラフィックの安全を確保するものなど、セキュリティ関連のさまざまなアプライアンスを販売する。同社は、ベンチャーキャピタルやCisco Systemsなどから出資を受けている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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