Hewlett-Packard(HP)が、Dellの元CIOであるRandy Mottをエグゼクティブバイスプレジデント兼CIOに指名した。これは、HPとDellの両社の競争の激化と、HPの内部構造の変化を象徴するニュースといえる。
49歳のMottは、米国時間12日よりHPでの勤務を正式に開始する。同氏は、HPのアプリケーション開発、データ管理、技術インフラ、データセンター運用、通信ネットワークを管理する社内IT部門の指揮にもあたる。また、MottはHPの11人目のエグゼクティブチーム・メンバーとなり、CEOのMark Hurdに直属する。
HPで前CIOであるGilles Bouchardは、HPのグローバルオペレーション部門エグゼクティブバイスプレジデントとして同社に残る。グローバルオペレーション部門は、コールセンターやサプライチェーンなど、より顧客に近い部分のオペレーションを担当する。
HPは先頃より、元CEOのCarly Fiorinaの時代に行われた企業統合からの方向転換を示す動きを見せている。今回の新しい部門編成もその一環として行われたものである。HPは6月にイメージング/プリンティング部門からPC部門を分離し、PC部門のトップに、PalmOneで社長兼CEOを務めていたTodd Bradleyを任命した。
HPの組織構造に詳しい情報筋によると、HPのIT部門には、従業員1人当たりで比較した場合、同社のライバル企業や業界が費やす額をはるかに上回る過剰な経費が注ぎ込まれているという。
「HurdはNCR時代にベンチマーク手法を用いて会社のコストを管理していた。Hurdは、HPのIT部門があまりに多くの問題を抱えており、ここで管理されている各種数値が、目標基準を達成できていないことに気づいた。同氏はコスト削減や人員解雇を行うことによって、ベンチマーク指標の達成を目指している」とこの情報筋は語る。
HPはこの1年間、人員削減を行ってきた。これは主に、イメージング/プリンティング部門とストレージ/サーバ部門において行われており、第2四半期には1億7700万ドルまでコストを削減している。
HPは近い将来、大規模な人件費削減を行うものと思われる。同社の10%弱に相当する1万5000人名を対象としたレイオフが行われても「不思議ではない」と同情報筋は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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