Microsoftは米国時間8日、データストレージ分野強化に向けた新たな一歩として、ディスクベースシステムにファイルをバックアップするためのソフトウェアを発表した。
「System Center Data Protection Manager」と称される同製品は、より多くの企業が、低コスト性が実証されているディスクベースのバックアップおよびリカバリを行えるようにするものだ。Microsoftによれば、同ソフトウェアとこれを搭載するサーバコンピュータを利用することで、同社の顧客は1テラバイトのデータを5000ドル以下で保管することが可能になるという。競合他社のシステムでは、こうした保管に5万ドルかかると同社は述べる。
MicrosoftのData Protection Manager部門グループプロダクトマネージャBen Mathesonは、「すべての企業が、ディスクベースバックアップを手ごろな価格で利用できるようにしたい。この製品は、市場で価格破壊を引き起こすだろう」と、あるインタビューの中で語った。
一方GartnerのアナリストRay Paquetは、Microsoftの製品はほかの製品と比べ低価格だが、より高価なシステムには、通常付加的な機能が含まれていると指摘する。代表的なものとしては、複数の異なるオペレーティングシステム(OS)を稼働させているコンピュータのデータをバックアップする機能などがあると、Paquetは例を挙げた。
Paquetはまた、Microsoftの新製品を用いて「バックアップを行うには、そのシステムがNTFSをサポートしていなければならない」と言う。NTFSは、Windows NTオペレーティングシステムで採用された、ハードディスク上でファイルを保管するためのファイルシステムだ。
Microsoftは、同新製品の製造を30日以内に開始すると発表している。すなわち、顧客はおよそ2〜3カ月後も経てば、同製品を利用できることになる。
ディスクベースバックアップ分野では、Microsoftは厳しい競争に直面している。同様の製品を提供している企業には、Symantecや、ストレージを専門とするEMC、Network Applianceなどがある。
近年、ストレージ市場では、数多くの技術系企業がより多くの利益を上げるようになってきた。こうした企業は、デジタル情報分野の拡大や政府によるデータ保管規制によって、ハードウェアおよびソフトウェアに対する需要が高くなると見込んでいる。
例えば、サーバメーカーSun Microsystemsは6月、テープバックアップのStorageTekを41億ドルで買収すると発表した。また2004年末には、セキュリティソフトウェアメーカーSymantecが、ストレージ企業Veritas Softwareを100億ドルを超える価格で取得する計画を明らかにしている。この買収は、2日に完了した。
Microsoftもこれと同様に、ストレージ分野の成長に注目している。同社が進める取り組みには、NAS(Network-Attached Storage)デバイス向けのOSの開発が含まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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