中国が世界規模で行われているスパム対策の取り組みにようやく参加することになった。この取り組みに、スパム対策の重要なカギを握る国が参加したことを、英国の有力議員たちは画期的な出来事として高く評価している。
世界的に出回っているスパムのうち、中国を発信元とするものは現在、米国に次いで2番目に多い。中国政府はこの問題を優先課題としてとらえず、消極的な姿勢をとり続けてきたため、同国は長い間、スパムメールサーバの絶好の設置場所とされてきた。
スパムメールのまん延が問題になり始めたばかりの頃、膨大な量のスパムメールが中国経由で配信されていることが指摘された。北京をはじめとする中国の都市部に設置されたサーバには西側諸国の政府の監視の目が行き届かないとして、中国を本拠地としていないスパムメール送信業者までも、同国にサーバを設置していた。
しかし、駐中国英国大使Christopher Humと米連邦商務官Jon Leibowitzが出席したセレモニーで、中国は「London Action Plan on Spam Enforcement Collaboration(スパム撲滅に関するロンドン行動計画)」に加わり、スパム撲滅に向けた国際的な取り組みに協力していくと発表した。
2004年に打ち出された同計画は当初、中国が参加しなかったため、失敗も同然とみなされていた。
英国のEコマース担当大臣Alun Michaelは、英国と中国との何カ月にも及ぶ粘り強い交渉が結実したとして、中国の決断を歓迎した。
Michaelは声明のなかで「中国は、世界で2番目に大きなスパム発信国であると思われる。われわれは長い間、中国と協力しながらこの問題に取り組んでいきたいと切望してきた」と述べた。
「中国のインターネットユーザーが1億人の壁を突破した今、インターネットをより安全なものにするために中国と協力できることを喜ばしく思う」(Michael)
Michaelによると、英国政府は欧州連合(EU)での指導的立場を利用し、スパム対策の取り組みを強力に推し進めていくつもりだという。
London Action Planに中国を代表して参加するUnion Network Beijingは今後、国際的な議論を行ったり、スパム対策の国際的なワーキンググループを結成したりする際の窓口として機能する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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