Javaのオープンソース実装を目指すApache Software FoundationのHarmonyプロジェクトが、Javaビジネスコミュニティに対し、ソフトウェアの寄贈を呼びかけている。
Apache Software FoundationのGeir Magnussonは、Javaプラットフォームのすべてについてオープンソース実装を開発することは難しいが、企業やフリーソフトウェアプロジェクトからコードを寄贈してもらうことで、作業自体を加速できると述べた。
先週開催された「JavaOne Conference」のセッションで、Magnussonは「何もかもをゼロから作り直そうとは思っていない。GNU Classpath(オープンソースのJavaクラスライブラリ)を再利用したり、Java仮想マシン(Java Virtual Machine:JVM)ベンダーに協力を呼びかけたいと考えている。寄贈を期待できるソトウェアはたくさんあると思っている」と、語った。
Magnussonによると、最も難しいのはJavaクラスライブラリを実装する作業だという。Magnussonは、これを「膨大な作業量」になると表現した。このほか、Java仮想マシンとJust-In-Timeコンパイラ(JITコンパイラ。Javaバイトコードをマシン言語の命令に変換する)の開発も、「高度なコンピュータサイエンス」スキルが求められるため、難しい作業になると述べる。ベンダ独自のJVMやJITは多数存在する。例としては「BEA JRockit」「IBM JVM」「Macromedia ColdFusion MX」のJVMなどが挙げられる。
Javaのオープンソース実装を開発することは、オープンソースコミュニティにおけるJavaの利用を促進する上で重要な作業となる。Magnussonによると、オープンソースコミュニティでは、これに変わる選択肢として、Mono(.NETやJavaプログラムを稼働できるオープンソースプラットフォーム)を利用することも可能だ。
「LinuxコミュニティやBSDコミュニティに対し、満足のいくオープンでフリーなJavaプラットフォームを提供したい。Javaは、オープンソースライセンスが適用されていないことから、Linuxの世界において二流市民としての扱いを受けている」とMagnussonは説明する。「オープンソースコミュニティはMonoにも注目している。だが、われわれには、Monoより優れた選択肢がある。それはJavaだ。もしこの選択肢が提供されれば、コミュニティはこれを利用するはずだ」(Magnusson)
Javaはオープンソースでないため、発展途上国がその利用を避ける、ということにもなりかねない。例えば、ブラジル政府は政府機関に対し、オープンソースソフトウェアの利用を義務付けているが、このことが、ブラジルでのJava利用を阻害することになるかもしれないとMagnussonは指摘している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス