ブラウザ同士をPtoPでつないで通信する「SynchroBrowser」を提供しているMVPは、同技術を使ってブラウザ上で接客する営業支援システム「SynchroShop」を開発、7月4日より販売開始した。
SynchroBrowserは、インターネットを介してブラウザをシンクロ(同期)させるコミュニケーションツールだ。ユーザーは、既存のブラウザに無償のプラグインソフトをインストールすればシンクロ機能が利用できる。ブラウザは、Microsoft Internet Explorer 5.5 SP2および同6.0 SP1をサポートする。シンクロされたブラウザ上では、コンテンツの同期や、マウスの動きをトラッキングできる機能、ブラウザ上に直接絵や印が書き込めるドロー機能などが実現する。リモートコントロール機能は使用していないため、相手のデスクトップが見えるわけではなく、安全性も確保できる。
「複雑な商品説明もウェブ上で可能」とMVP社長の川北氏 |
今回発表したSynchroShopは、従来ナビゲーションや購入をユーザーまかせにするいわゆるセルフサービス型のECサイトにSynchroBrowserの技術を採用し、複雑な商品説明をウェブ上で可能にするものだ。MVP代表取締役社長の川北潤氏は、「ブラウザ上で店員が説明資料などを見せながら、物理店舗と同様の接客ができるようになる」と述べる。すでに、日本旅行や通信販売のJIMOSなどで導入が決定している。
SynchroShopを導入したECサイトでは、ウェブサイト上に店員が待機する場所と、相談ボタンを設ける。顧客が相談ボタンをクリックすると、店舗の電話番号と整理番号が表示される。この時点で顧客のブラウザにSynchroBrowserのプラグインソフトがインストールされていない場合は、インストールページへと誘導される。顧客が店舗に電話をかけて整理番号を伝えると、店員が整理番号から顧客のウェブページを呼び出し、シンクロが開始される。店員は、顧客のために直接サイトをナビゲーションすることや、フォームに代行入力することも可能だ。
SynchroBrowserを利用したECシステムとして今回SynchroShopを開発したMVPだが、川北氏は「今後も同技術を利用して、新データベースシステムとなるSynchroCRMや新会議室システムのSynchroRoomなど、さまざまなサービスを企画している」と述べた。
価格は、ルータとSynchroShopの基本セットで800万円からとなっている。同社では、初年度の販売目標を30セットとし、ウェブサイト構築サービスも含めた売上目標を6億円としている。2005年秋には、中小企業向けのASPサービスの提供も予定している。
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