カリフォルニア州サンノゼ発--米国時間24日に当地で開催されたeBayの年次ユーザーカンファレンスで、同オークションサイトに出品するユーザーは手数料値上げと中国からの偽造品に対する不満を明らかにした。一方、同社のライバル、Overstock.comはこのイベント中に宣伝カーを出し、不満を抱いているeBayユーザーに向けて自社のサービスをアピールした。
10年前にオンラインオークション革命を起こしたeBayは、Overstock、Yahoo、Amazon.comなどとの激しい競争に直面している。さらに、eBayはGoogleからのプレッシャーも感じている。Googleは独自のオンライン決済サービスを開発中で、また同社の検索広告サービスは、オンラインの通販サイト運営者の間で高い人気を誇っている。
eBayファンが同社に熱い支援を送るなか、「パワーセラー」と呼ばれる量販ユーザーからは不満の声もあがっている。これらのユーザーは、eBayには買い手が少なくなった上、料金が高くなったと述べており、状況が苦しくなったと感じているという。
「さらに多くの買い手をひきつけて、われわれが成功できるようにするために、eBayはどんな対策をとるつもりなのか」と、パワーセラー向けのパネルディスカッションに参加したeBayの出品者は、怒りを露わにしながらそう問いただした。この人物はさらに「eBayは完全な独占状態にある。eBayがなければ、私の事業は成り立たないのに、eBayは私から次々にお金を巻き上げている」と付け加えた。
他のパワーセラーは、新しいユーザーを惹きつけるために、ラジオやテレビで広告を打つ計画があるかと尋ねた。
これらの批判に応えて、eBayのMichael Dearing(シニアバイスプレジデント兼売買担当ゼネラルマネージャ)は、「われわれは需要の拡大に真剣に取り組んでいる」と述べた。Dearingによると、eBayは今年後半に、新しいTV広告キャンペーンを打つ計画だという。
また、参加者からは、「中国から入ってくる膨大な量の偽造陶器に対する策は講じてあるのか」という質問も上がった。
eBayは今年に入って、自社サイトで取引される偽造品の取り締まりを強化した。同社のRob Chesnut(信頼・安全部門シニアバイスプレジデント)は、この取り組みの一環として中国にスタッフを配置したことなどを挙げた。
このほか、入札者が完全に入札を終えるまでオークションを延長しない理由を問う質問も上がった。この人物はOverstockに言及し、「他社はやっている」と述べた。
これに対し、Chesnutは、「オークションの延長は、オークション業者の定義に触れるもので、規制にも関わってくる」と説明し、eBayがすべてのオークション業法を遵守することは無理だとした。
同カンファレンスの参加者は、このセッション以外でも、同社の手数料の高さに不満を述べ、競合他社のサービスを使うことも検討していると述べた。
「eBayに代わる有力な選択肢があったとしたら、われわれは手数料が上がった段階でその選択肢にフォーカスしていただろう。(手数料値上げを受け)わが社はすぐに別のサイトを検討し始めた」というのは、ブースや照明など、トレードショウで利用する備品を販売しているDylan Collettだ。「eBayは口先だけで、ショウやディナーなど、やることは華やかだが、私にはコミュニティの声に耳を傾けているように見えない」(Collett)
Collettと組んでいるDoug Cornellは、「われわれは、Overstockがどのような動きに出るのかに期待している」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向 けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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