オンライン取引に対する利用者の信頼が揺らいでいる。
市場調査会社Gartnerが米国時間23日に発表した調査によると、セキュリティへの懸念からウェブユーザーの75%はオンラインショッピングの際、どこで買い物するかについて以前よりも慎重になっており、また3人に1人は、これまでよりも買い物を控えているという。この調査は米国で5000人のネットユーザーを対象に実施された。
Gartnerによると、ほとんどのオンライン利用者は知らない企業や面識のない個人からのメールを開かないようにしており、このようなメッセージを直ちに削除しているユーザーも多いという。
同レポートによると、個人情報の流出が後を絶たないことや、権限のない人間による個人情報へのアクセスが利用者の大きな不安要因になっているという。たとえば、フィッシングメールを受信したと報告した利用者の数が、今年の5月には前年同期に比べ28%増加したと、Gartnerは述べている。
同社では、フィッシング詐欺の被害にあったことがあると答えたユーザーの数は240万人にのぼるとしている。
「各企業はオンラインセキュリティを強化するための対策を早急に講じる必要がある。今日、オンラインでの取引は前例のないレベルにまで達している。だが、利用者の信頼が揺らぎ続けると、企業はインターネットを利用した経費削減やマーケティングの取り組み改善を行えなくなる」と、Gartner調査担当ディレクター、Avivah Litanは声明のなかで述べている。
Gartnerによると、消費者は自分の利用する企業に対し、安全なオンライコミュニケーションを提供し、個人データを保護することを期待しているという。利用者の信頼を失うことは、正規のウェブバンキング業務や請求処理業務にも悪影響を及ぼしかねない。オンラインバンキングの利用者のうち、30%はデジタル攻撃を懸念し、サービスの利用を控えているという。
同日に発表されたConference Boardによる調査でも、インターネットユーザーの13%以上が、自分や家族がID窃盗の被害にあったことがあると報告している。調査対象となったオンライン利用者の半数以上はオンラインでの買い物を控えているという。また、ほぼ70%のユーザーが追加のセキュリティソフトをインストールする一方、54%は特別売出しの案内を無視していることが同調査で明らかになった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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