ポッドキャスティングは当初、技術者たちの特異なトークショーがほとんどだったが、今では大手ラジオ局のClear Channel CommunicationsからBusinessWeek誌 まで、主要メディア各社も先を争ってこれを導入している。また、AppleではiTunesの次のバージョンでポッドキャストの制作と配信をサポートすることになっている。これにより、ポッドキャストが一段と普及する可能性がある。
AppleのCEO、Steve Jobsは先ごろ行われたWWDCカンファレンスの基調講演で、「いまラジオの分野ではポッドキャスティングが最も熱いと考えている。ラジオの世界でこれ以上ホットなものは見あたらない」と語っていた。
Jobsの考えは正しいかもしれない。だが今のところ、これはまだダイヤの原石に過ぎない。Ibbottのような勇敢な一部の人々は音楽配信フォーマットとしての可能性を探っているが、大半の放送局は、ライセンス取得の頻雑さからポッドキャストでは会話を流すだけにとどまっている。
ロサンゼルスの公営ラジオ局、KCRWの広報担当、Debbie Adlerは、「われわれには、ポッドキャストで流したい曲の許可をすべて取るだけの人手もリソースもない。許可やライセンスの問題、そして出版権の仕組みに対し、業界が今後どのように対応するかが問題だ」と語っている。
何年も前から違法なファイル交換と戦ってきた音楽業界から見れば、ポッドキャストの今日の姿は、コピー防止機能で保護されてないMP3ファイルをネットで公開する行為とはやや異なる。ポッドキャストで流される曲は、すべて一緒に1つのオーディオファイルにまとめてバンドルされている。だが、レコード会社側では、このファイルから楽曲を抽出して、iTunesで購入した曲のように永久保存できるようになることを恐れている。
RIAA関係者は声明のなかで、「われわれは、音楽ファンが曲を見つけ出して聴くための新しくワクワクするような手法は常に支持する。(しかし)ポッドキャストの配信者も、ほかの録音技術の利用者同様、著作権保有者もしくはその代理人から適切なライセンスを取得する必要がある」と述べている。
しかし、Ibbottなどは折衷案を求めている。同氏や、楽曲をポッドキャストで配信する一部の人々は、曲の無償配信で利益を得ているわけではない点をレコード会社に納得させようとしている。また、彼らはラジオ局同様、レコード会社側の不安を和らげる方法をいくらでも喜んで探すとしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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