Apple Computerが、iPodのバッテリ駆動時間をめぐる複数の集団代表訴訟で和解に同意し、苦情を訴えた消費者に対し、保証サービス期間の延長と50ドル分のクーポン提供を申し出た。
原告側の代理人を務める複数の法律事務所は今週、2001年の発売時から2004年5月31日までにiPodを購入した200万人以上の米国市民に対して、仮和解通知書の発送を開始した。和解の最終承認は、サンマテオ郡の判事が8月25日に行われる聴聞会で下すとみられている。
この法廷闘争は、カリフォルニア州とニューヨーク州在住の8人の消費者が訴訟を起こした2003年に始まった。原告側では、iPodに内蔵されるバッテリについて、製品と同じ耐久性があり、最大10時間の連続再生が可能だとしたAppleの説明が誤りだと主張していた。多くの場合、このバッテリは1回の充電でわずか4〜5時間しか連続再生ができなかった。
サンフランシスコにあるGirard Gibbs and DeBartolomeoのパートナーで、この裁判で原告団の代理人を務めるEric Gibbsによると、バッテリの問題を指摘する噂が広まると、数千人の消費者が苦情を訴え始め、同法律事務所だけでも1万2000人以上のiPodユーザーが苦情を訴えてきたという。
「iPodを購入し、バッテリの問題を経験した人々にとって、これはかなり良い和解条件だと思う」(Gibbs)
Appleは、この和解条件として、2004年5月31日以前に販売したドックコネクタ付きの、比較的新しい世代のiPodについては、保証期間を1年から2年に延長することに同意した。延長保証期間中にバッテリが故障した場合、AppleはバッテリもしくはiPodを無償で交換するか、もしくは同社のオンラインおよび実店舗のどちらでも利用できる50ドル分のクーポンを提供する。
一方、それより前の世代のiPodでバッテリの問題を経験した消費者に対しては、50ドル分のクーポンもしくは25ドルの現金を提供する。iPod購入から2年以内にAppleにバッテリの有償修理を依頼した顧客には、50ドルを現金で払い戻す。Appleではこのような修理に99ドルの料金を請求している。
なお、この和解の対象となるのは、第3世代のiPodの場合、連続再生時間が4時間もしくはそれを下回るもので、第1、2世代の製品については連続再生時間が5時間以下のものとなる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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