FBIと米国土安全保障省(DHS)が、飛行機内での携帯電話や他の無線機器の利用を認める法案に反対している。
FBIとDHSは、通信事業者が、飛行機内での通話の盗聴に関する膨大な数の要求事項に従わない限り、機内での携帯電話やその他の無線機器の使用許可に反対する構えだ。
FBIとDHSは、5月26日に連邦通信委員会(FCC)に送付した書簡の中で、機内での携帯電話の個人的使用を認める規則を制定する場合は、一般大衆の安全や国家安全保障上の懸念を考慮に入れなくてはならないと述べている。
現在は、技術的/社会的理由から飛行中の携帯電話の使用は禁じられている。携帯電話でぺちゃくちゃ話す旅行者と機内で同席すると考えただけで、誰でもうんざりするだろう。また、航空管制システムの動作に支障が出るなどの懸念もあるため、機内での携帯電話の使用が禁じられることとなった。
FCCは、それらの規制を緩和する提案を複数検討している。そのなかには、たとえば民間航空機内に携帯電話やインターネットの利用が可能な「ピコセル」と呼ばれるキャビンほどの広さのホットスポットの設置を認めるというものだ。
FBIとDHSによると、1994年に制定されたCALEA(Communications Assistance for Law Enforcement Act)により、各航空会社は通信傍受に関する厳格な指針の遵守を義務付けられているという。FBIとDHSでは、例えば通話開始後「10分以内」に会話の傍受が可能になることを望んでいる。
FBIとDHSは書簡の中で次のように述べている。「自滅覚悟のテロリストによる飛行機のハイジャックを阻止したり、機内で発生し得るその他の危機的状況を改善するための対策を講じることができる機会は限られており、警察はこれらの潜在的危機への対応能力を最大化する必要がある。」
FBIとDHSはさらに、FCC指令により、電話をかけた乗客の座席番号を割り出すこと、通話の「迅速な妨害」や政府関係者以外の全ての乗客への電話サービス提供の中止などを警察が確実に実施できるようにすることを要求している。
これに対し、サンフランシスコに拠点を置く人権擁護団体、電子フロンティア財団(EFF)の顧問弁護士を務めるKurt Opsahlは、「議会はそんなことを想定して法律を作成したのではない」と反論している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」