Netscapeは米国時間19日、フィッシングのようなオンライン詐欺の被害からユーザーを保護することに主眼を置く、「Netscape 8」の正式版をリリースする予定だ。
アルファやベータといった同ブラウザのテスト版は、すでに2月から入手可能となっている。Netscapeは、同ブラウザの最終版に、これまでのものと同様、ウェブを閲覧する際の安全性を確保する保護機能を搭載すると発表していた。むだのない外観と使用感を持つとされるNetscape 8だが、3月に公開されたベータ版とそれほど変わらないとも指摘されている。
Netscapeの関係者が新ブラウザ発表に関するコメントを控えていることから、リリースが延期される可能性もまだ残っている。Netscapeは現在、Time Warner傘下のAmerica Onlineに属する部門の1つとなっている。
Netscapeはこの正式版を擁して、セキュリティ上の脆弱性を多数指摘されながらも、圧倒的なシェアを誇るMicrosoftの「Internet Explorer(IE)」ウェブブラウザに、戦いを挑もうとしている。またNetscapeには、「Firefox」の成功にあやかりたいという考えもあるようだ。Firefoxは2004年11月にリリースされたオープンソースウェブブラウザで、すでに5700万件近いダウンロード数を記録している。
Netscape 8の最新テスト版では、悪質なウェブサイトの一覧を基にセキュリティ関連の設定が自動的に行われ、フィッシング詐欺などから身を守ることができた。スパイウェアのホスティングや、フィッシング詐欺との関わりが疑われるウェブサイトのブラックリストは、定期的にアップデートされるという。
ウェブサイトを閲覧すると、Netscape 8のタブに赤や緑のチェックマークが現れる。このマークによって、当該のサイトが危険か安全かをユーザーに知らせる仕組みだ。
フィッシング詐欺は、ユーザー名やパスワード、クレジットカード情報などの個人情報を盗もうとする、典型的なオンライン詐欺である。通常のフィッシング攻撃では、スパムメールと、正規のウェブサイトに見せかけた偽のウェブページが利用されている。
Netscape 8はFirefoxの技術を利用して開発されており、同ブラウザでも使われている「Gecko」レンダリングエンジンがデフォルトで搭載されているが、同時にIEのブラウザエンジンもサポートしている。信頼性の高いウェブサイトであれば、表示にほとんど制約はない。また、IEエンジンは、高い互換性を確保するために利用されるという。
Netscape 8のテスト版は、2月に少数のテスターに対してリリースされ、3月には一般公開された。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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