Yahooは、まもなく低価格の新しい音楽配信サービスを提供開始し、デジタル音楽業界に価格戦争を仕掛ける構えだ。これに対しアナリストらは、ライバル各社もサブスクリプションサービスの価格を引き下げざるを得ないだろうと言う。
Yahooは米国時間10日、新サービスの「Yahoo Music Unlimited」が月額わずか6.99ドル(または年間60ドル)で提供されることを発表した。契約者は、音楽ファイルを無制限にダウンロードすることができ、これらの楽曲を携帯音楽プレイヤーに転送することも可能だ。
Yahooの音楽サービスは、NapsterやRealNetworksが提供するサービスの半分以下の価格で提供される。NapsterやRealNetworksは、楽曲を好きなだけダウンロードし、それらを音楽プレイヤーに転送することができるサービスを月額約15ドルで提供している。発表の中でYahooは、今回設定した価格は「特別提供価格」であると述べた。しかし、今後価格変更を行う時期や変更後の価格については言及していない。
GartnerG2のアナリストMike McGuireは「(NapsterやRealNetworksに)プレッシャーがかかるだろう」と述べる。「しかし、すべてはYahooがいつまで特別価格を維持できるかにかかっている」(McGuire)
結果はどうあれ、この価格戦争のおかげで、サブスクリプション型の音楽配信サービスに対する人々の関心は高まるだろう。ここ数年、1曲99セントで音楽をダウンロードできるApple ComputerのiTunes Music Storeのおかげで、サブスクリプションサービスは影が薄くなっていた。
サブスクリプション型の音楽配信サービスを提供する企業各社は、ダウンロードしたファイルを互換性のある携帯音楽プレイヤーに転送できるようにするため、Microsoftの新しいソフトウェアを採用している。契約者はそれまで、ダウンロードした楽曲を自分のPCでしか聴くことができなかった。
最初に登場したサブスクリプション型の音楽配信サービスは「Napster to Go」だった。Napsterはスーパーボウルの放映中にも同サービスの広告を大々的に流した。RealNetworksも4月に類似のサービスを立ち上げている。そのなかでRealNetworksは、契約者以外でも1カ月あたり25曲まで楽曲を無料で試聴できるサービスを提供している。
今回のYahooの発表を受けて、Napsterの株価は10日の時間外取引で20%下落した。RealNetworksの株価も11%以上下がっている。
Napsterの広報担当者からこの件に関するコメントを得ることはできなかった。Napsterは、米証券所取引委員会に先ごろ提出した書類のなかで、2004年の末時点で1億3900万ドルの現金と短期有価証券を保有していたことを明らかにしている。Napsterはサービス価格を一時的に引き下げて、その損失をこの資金で埋め合わせることを考える可能性もある。
また、RealNetworksは、3億7000万ドル近くの現金と短期有価証券を保有している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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