オリンパス、映像事業再編のため初の人員削減へ

 オリンパス(菊川剛社長)は、2004年度(05年3月期)不振に終わったデジタルカメラ開発・販売などの映像事業の再編計画を発表し、映像事業部門の人員を現在の1万4000人から1万人に削減する。「人員削減は過去一度も行っておらず、今回が初めて」(菊川社長)という。

 削減する4000人は、「大半が中国を中心とした海外拠点の人員」(菊川社長)。希望退職者のほか、自然退職や他部門へ異動する人員も含んでいる。割増退職金として、すでに04年度に25億円の特別損失を計上している。

 オリンパスの昨年度の連結業績は、売上高はアイ・ティー・エックス(ITX)を子会社化したことで前年度比28.4%増の8135億円3800万円となったものの、「映像事業の大不振」(菊川社長)で、営業利益は同63.2%減の231億5300万円、当期純利益は118億2700万円の赤字(昨年度は335億6400万円の黒字)に転落。映像事業部門の業績は、売上高が同6.4%減の2777億円、営業利益は239億円の赤字(昨年度は152億円の黒字)に終わった。映像事業部門以外の医療、ライフ、産業の3部門はすべて増収増益だった。

 菊川社長は、「映像事業の復活が最大の経営課題」として、初めての人員削減に踏み切るほか、映像事業部門の製造コストおよび一般管理費の削減で100億円のコストを削減するなどの再編計画を実施する方針。今年度上期は、引き続き130億円の赤字を見込むが、下期には黒字転換を果たし、20億円の営業利益を計画。来年度は通期黒字化を目指す。

 映像事業の大半を占めるデジタルカメラの開発・販売事業の不振理由を大久保雅治・取締役常務執行役員は、「国内市場で『薄型・高画素・大型液晶』のトレンド製品を投入できなかったことと、競合他社に比べ新製品の投入時期若干遅れた」ことなどを挙げている。

オリンパス

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