シアトル発--Microsoftは、次期Windows「Longhorn」の機能をフル活用するためには、かなり新しいコンピュータが望ましいとしているが、しかし同OSを動かせる旧型マシンも相当多くなりそうだ。
これはユーザーにとってよい知らせと言えるが、いっぽうでは有り難くないニュースもある。これらの旧型システムで動かした場合、Longhornのルックスや機能は、最新マシンの場合と大幅に異なるものになるからだ。たとえば、3GHzのプロセッサと512Mバイトのメモリを搭載したマシンなら、手の込んだ派手なグラフィックスや複数のビデオストリーム処理をはじめ、すべての付加機能を利用できる。それに対し、旧型PCでもLonghornが動くには動くが、しかしその場合は新しい強力なマシンで動かす時とおなじものにはならないという。なお、Microsoftが実施した初期のテストでは、最低128Mバイトのメモリを搭載していればLonghornを動かせることが分かっている。
これらの旧型マシンでLonghornを動かした場合、そのルックスは「XPに非常に近くなる」と、MicrosoftのWindowsコアOS部門で働く開発者、Richard Russellは述べている。
新しいWindowsのグラフィックスは、少なくとも4段階のレベルに分かれている。「Aero」および「Aero Glass」は、新しいコンポジットグラフィックスを採用し、ハイエンドの「Aero Glass」シェルには3Dやトランジションなどの効果がさらに追加される。「To Go」というもう1つの表示形式は、ノートPCや新しい消費者向けマシン用に設計されてたもので、Aeroと同じカラースキームを多く使用するが、派手なグラフィックス効果は省略されている。そしてクラシックモードは、XPあるいはWindows 2000のルックスと非常に近いものとなる。
さらに、違いは処理性能にも現れてくる。新OSではシステムの性能が高ければ高いほど、多くのことができるようになる。
これまでWindowsではサポートするマシンのすべてで同じ機能を提供していたため、マシンの性能ごとに機能に差をつけるというやり方はMicrosoftにとって大きな方針転換を意味する。
「XPの場合、ルックスや機能はどのマシンでも同じだった。だがLonghornではこの点が大きく異なり、マシンの性能に合わせてスケールすることになる」(Russell)
このようにマシンの性能によってOSの機能が変わることになれば、Microsoftは2つの課題に直面することになる。まず、企業顧客や一般ユーザーに対して、Longhornが動作するからといって必ずしも全ての機能を使えるようになるとは限らないという点を啓蒙する必要がある。この目的のために、Microsoftは、PC向けの新しいロゴプログラムを計画しており、Longhornに最適化されたマシンと、同OSを単に動かせるだけのマシンとを区別しようと考えている。同社はまたコンピュータメーカー向けに、あるPCが「Longhorn対応」であることを示せるようにするプログラムにも取り組んでいる。
2つめの課題は、個別のマシンに最適な設定をソフトウェア側で判断させるようにすることだが、Microsoftではすでにこの点に対応する計画を進めている。
Russellによると、MicrosoftはユーザーがLonghornにアップグレードしようとする際、各マシンに最適な設定が自動的に選ばれるよう確実を期すとともに、ユーザー側でも設定を変更できる余地を残すようにするという。
「ユーザーが自分のマシンで (Aero) Glassを動かせるかどうかを調べなくてはならないようにはしたくないとわれわれは考えている」(Russell)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」