「M1000は新しい携帯電話の流れへの挑戦」--NTTドコモ - (page 2)

永井美智子(編集部)2005年05月02日 19時51分

--M1000はドコモの端末ラインアップの中で、どのような位置づけにあるのでしょう。

 われわれは企画型端末と呼んでいます。900i系のように1つの大きなシリーズとして出すものではなく、ビジネスユーザーという特定の層に特化した端末です。

--ビジネスユーザー向けの端末としてはN900iLがありますし、海外でも使えるGSMとW-CDMAのデュアル端末としてはN900iGがあります。これらの端末との住み分けをどう図りますか。

 まず、N900iLは携帯電話を企業内の内線電話として利用できる「PASSAGE DUPLE」というサービス向けの端末です。これはPHSを企業内のコードレス電話として利用できる「PASSAGE」というサービスの代替となるものです。N900iLではPHS網ではなく、無線LANを利用して内線通話を実現しています。M1000は無線IP電話機能はありません。企業内のコードレス電話ではなく、ビジネスパーソンが外出先でインターネットやメールを快適に使えることが目的です。

 N900iGは日本のiモード端末が海外でも同じように利用できる端末です。M1000はiモードが使えませんが、それは国内でも海外でも同じです。N900iGとM1000はコンセプトの違う端末と言えます。ですから、この3つの端末はそれぞれ住み分けができると思っています。

--公衆無線LAN機能を付けた狙いは。

 今回無線LANを搭載することにこだわったのは、PCユーザーから見た場合、FOMAでは通信速度(384kbps)や料金の面で制約があると考えたからです。

 定額制のパケホーダイはiモード向けのものですから、iモード非対応のM1000では利用できません。その代わり、パケット通信料を安くしたパケットパック90というプランを新たに導入しています。

 ビジネスFOMAで定額料金で快適にフルインターネットを利用できるよう、ドコモでは公衆無線LANサービスの「Mzone」を提供しています。これまではホテルやカフェ、空港などPCユーザーが利用するような場所でエリアを構築してきましたが、現在では東京メトロの全駅や都営地下鉄の駅など、ビジネスユーザーが移動する導線上にエリアを拡大しています。

 ドコモに割り当てられた電波の帯域を考えると、フルインターネットで定額制を導入するのは時期尚早といえます。iモードであればどの程度のパケット通信が行われるか予想できますが、フルインターネットになると想像がつきません。他のユーザーの接続スピードが落ちたり、つながらなかったりする危険性があります。フルインターネットにも定額制を導入するかどうかは今後の議論です。

--ビジネスパーソン向けということで、特別な販路を考えていますか。

 ドコモショップや量販店などの一般チャネルと、法人チャネルの両方を使っていきます。法人チャネルはドコモの直販のほか、SIパートナーがソリューションの一部にM1000を組み込んで販売する場合もあります。SIパートナーは独自のアプリケーションをM1000にアドインして顧客に提供していきます。

 M1000のOSは現状のPDAとは異なるSymbianを採用していますから、Symbian OS上で動くアプリを作れる開発環境をドコモ側から提供します。これによって、自社のアプリを組み込んでM1000を売ってくれるパートナーを拡大していきたいと考えています。

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