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日本の電子政府利用率は35%と低い--アクセンチュアが世界22カ国を調査

日川佳三(編集部)2005年04月12日 19時05分
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 コンサルティングとシステム開発のアクセンチュアは4月12日、日本を含む各国の電子政府サービスの成熟度と使い勝手の調査結果を公開した。日本は電子政府の成熟度で世界第5位だが、国民の期待は小さく利用率も低い。調査は同社が企画し同社の費用で1年に1回実施、今回は6回目の調査となる。

 2種類の調査を実施した。1つは行政サービスの成熟度調査で、アクセンチュアの選任スタッフによる行政サービスの評価である。もう1つは、電子政府の利用者である各国の国民に対する電話での聞き取り調査である。

日本の電子政府の成熟度は5位

 1つ目の調査は、アクセンチュアの調査スタッフがみずから行政サービスを操作して評価した。インターネット経由で「所得税の申告ができるか」や「新薬の認可申請ができるか」など中央省庁が実施する177項目のサービスに関して、電子化の度合いを評価した。調査期間は2005年1月3日〜1月17日の15日間である。

 行政サービスの成熟度はまず、サービスの幅の広さとして177項目を電子化しているかを調査するとともに、サービスの深さとして177項目それぞれにつき情報システム化の度合いを調べた。

 サービスの幅の広さでは、177項目のうち、日本や米国、フランスの99%を筆頭に平均で91%と、ほとんどの国家が177項目の9割以上を電子化済みという結果が出た。サービスの深さでは、177項目それぞれにつき、以下の3つに分類した。情報提供だけ(Publish)、申し込み手続きが可能(Interact)、すべての手続きが完了する(Transact)、である。1位はカナダの80%で日本は70%、平均は62%となった。

 また、行政サービスの広さと深さに平行して、利用者から見た使いやすさに着目し、以下の4つの評価基準ごとに得点を付けた。利用者(国民)の視点に立っているか(Citizen-Centered)、異なる行政機関同士が連携しているか(Cross-Goverment)、マルチチャンネル化されているか(Multi-Channel)、主体的に取り組んでいるか(Proactive Communications and Education)、である。

 行政サービスの広さと深さ、利用者から見た使いやすさ、上記2点の評価基準を50%ずつ同じ重みで評価し、電子政府の進捗度を100%満点で点数化した。1位はカナダで68%の成熟度、2位の米国が62%、日本は5位の55%だった。

日本は電子政府への期待と利用率が低い

 2つ目の調査は、市場調査会社を使って行政サービスの利用者にアンケートを実施したものである。選抜または無作為に抽出した18歳以上の国民400人(米国は600人)に対して電話で聞き取り調査を実施した。調査項目は「電子政府の取り組みはうまく進められているか」など15種類。調査期間は2005年1月4日〜1月18日の15日間。

 行政機関内での国民の個人情報のやり取りに対する認識はこうである。診療記録のマイナス評価を除き、国籍の63%、結婚暦の47%、学歴の44%など、行政機関が自分の個人情報を共有することに対して、おおむね安心で快適であるとプラス評価した。

 電子政府の利用状況は、インターネットの利用度合いと強い相関関係があった。1日1回以上インターネットを使う人の割合が高い国家は、電子政府を頻繁に利用する。例えばスウェーデンはインターネット利用率も電子政府利用率も75%程度と高い。日本はインターネット利用率は60%ほどあるものの電子政府利用率は35%程度と、他国の傾向と比較して電子政府の利用率が著しく低い。

 「電子政府は、行政に、より効率的で、より適正な行政運営をもたらすか」という論点について賛否を問うた調査では、賛成とした人が70%となったマレーシアが1位、賛成の割合が18%と一番低かったのが日本である。日本は、否と答えた人の割合も第4位の14%と高い。否と答えた人の割合の1位は英国の21%だが、英国は賛成と答えた人も43%で平均的である。

 調査対象国家は以下の22国である。オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、英国、米国。

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