TIS、2006年3月期業績拡大見通しを受け株価反転の兆し

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 システム開発大手のTISの株価が、3月30日の安値4080円を底に反発の兆しを見せはじめている。その背景には、この4月からスタートしたばかりの2006年3月期の業績について、順調な拡大見通しが浮上してきたことがあげられる。

 株価が反転上昇するきっかけとなったのは、3月29日付でUFJつばさ証券がTISに対しレーティング「A」(5段階の上から2番目で、やや強気に相当する)を継続したこと。同証券のレポートによると「2005年3月期の売上高は、前期比17.5%増の1990億円(会社計画2070億円)、営業利益は同23.9%増の155億円前後(同167億円)の着地になるとみている。アウトソーシングと開発は順調だが、機器販売が計画ほど伸びておらず、2005年3月期の未達は想定の範囲でサプライズはない。今2006年3月期のイメージは、売上高2200億円、営業利益180億円以上を想定する」と指摘している。一方、ドイツ証券や三菱証券、モルガンスタンレー証券などは、引き続き強気姿勢を継続している。

 スタートしたばかりの2006年3月期の展開で注目したいのは、大手クレジットカード会社の基幹システム再構築大型案件が続くことにより、ソフトウェア開発が引き続き収益拡大のけん引役となる見通しになる点だ。さらに、今3月期から連結対象となる旭化成情報システムの上乗せ分(推定で売上高130億円、営業利益7億円、のれん代償却後の営業利益は推定1億5000万円)や、アウトソーシングの安定的な拡大で、売上高では230億円程度の増収となることが予想される。

 大手クレジットカード会社のシステム構築案件は2008年まで続く見通しで、総額数百億円規模の大型案件となっている。今後はUFJカードとDCカードの統合案件のほか、複数のクレジットカード会社向け大型案件を獲得する可能性も十分ある。したがって、今後も中期的にクレジットカード会社向け案件をけん引として着実な拡大が見込めることになりそうだ。競合他社が価格競争などで収益成長に苦しむなかで、ITサービス業界内における同社の収益力の強さを改めて確認することになる。

TISの株価は今年1月18日に年初来高値の4800円をつけて以降下落トレンドとなり、2月18日には年初来安値の4080円をつけた。その後は一時上昇に転じ、3月8日には4500円まで上昇した。しかし、その後再び反落して3月30日に年初来安値と同値の4080円まで下落した。そして今回この4080円で2番底を確認するかたちとなり、株価が反転上昇する兆しをみせはじめたことになる。最近の同社の株価は、2004年3月の高値5040円以後、下値3600円、上値4800円のボックス圏内での推移となってきた。したがって、ここからは年初来高値の4800円水準までの比較的短期間での上昇が期待できないものの、この水準突破が大きな焦点となってきそうだ。

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