Microsoftのウェブブラウザ「Internet Explorer」と電子メールソフトウェア「Outlook」に、一連の重大な脆弱性が見つかったことを、セキュリティ対策会社のeEye Digital Securityが明らかにした。
eEyeによると、この脆弱性を悪用することで、ユーザーがコンピュータを操作しなくても、リモートからコードを実行できるようになるという。この欠陥は自己繁殖型ワームがシステムに侵入するのを許すものではないが、ユーザーが知らないうちに、攻撃者にトロイの木馬ウイルスを仕掛けられ、バックドアを開けられてしまう可能性があると、eEyeのシニア・セキュリティエンジニア、Ben Nagyは述べている。
「ユーザーがだまされて悪質なコードを含むサイトにアクセスしようとした場合、バナー広告をクリックするだけでウイルスに感染してしまう恐れがある」(Nagy)
この欠陥はインストールしたままの状態のOutlookとIEに存在するもので、NagyによるとeEyeでは数日前にMicrosoftに通知済みだという。eEyeではMicrosoftにパッチ開発の時間を与えるために、どのバージョンのOutlookおよびIEに存在するのかなどの詳細は明らかにしていない。このため、現時点では、eEyeの脆弱情報ページにはわずかな詳細しか掲載されていない。
eEyeでは現在、この脆弱性がどのプラットフォームに影響し、それがどの程度の深刻度なのかを調べるために、さまざまなプラットフォームで独自のテストを行っていると、Nagyは付け加えた。
これまでのところ、この脆弱性を突く攻撃コードが開発されたという情報は入っていないとNagyは述べている。
「Microsoftは脆弱性が存在し、それが本物であることを認めた。しかし、同社がこの脆弱性に対応するパッチを月例パッチのリリースまで待たずに公開するかどうかは疑問だ」(Nagy)
一方Microsoftは、内々に報告されたこの件に関して脆弱性の可能性などを調査中だと述べている。
「いまのところ、われわれはこの脆弱性を悪用した攻撃があったという話や、顧客がこの問題の影響を受けたという話は聞いていない」とMicrosoftの広報担当者は述べている。「Microsoftでは、この調査が終わり次第、顧客を保護するための適切な対応をとることになる」(同広報担当者)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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