ドリコムは3月29日、企業の求人情報を自動検索し、リスト化して表示するサイト「ドリコムキャリア」(ベータ版)を15時にオープンする。オープン当初で約5万5000件の求人を掲載する予定。
ドリコムキャリアは、同社の持つ検索技術を駆使して企業サイトに掲載されている求人情報を自動的に検索し、その情報をリスト化して表示する。リストには求人内容のほか、その企業について書かれたブログやニュースなど、第三者からの情報が一括で閲覧できるようなボタンも設置する。
求人情報の検索サービスは、すでにソフトバンク・ヒューマンキャピタルが運営する「仁王」(求人件数:3月28日時点で8万1876件)や、ディップの運営する「ジョブエンジン」(求人件数:同3万5400件)、ジョブダイレクトの運営する「ジョブダイレクト」(求人件数:同4万1308件)などが存在する。今回ドリコムが提供するサービスの優位点について、同社 代表取締役の内藤裕紀氏は、「これまでドリコムでは検索事業を中核としてきたため、ロボットで情報収集するクローリング技術と、ユーザーが求めている情報をうまくまとめて表示する技術をうまく組み合わせることができた。サービス開始時点ですでに5万件以上の求人情報を収集できたのもそのためだ」としている。内藤氏によるとこの求人件数は、「正式サービス開始予定の6月頃には10万件を超えるだろう」としている。
ドリコム 代表取締役 内藤裕紀氏 |
ドリコムはこれまでにも、検索技術を使ったサービスとして、2004年6月にニュースとブログの検索サービス「News & Blog Search」をリリースしている。ただしこのサービスは、ドリコムにとって技術研究開発の成果を発表したような位置づけで、収益モデルがあるわけではない。しかし今回のサービスでドリコムは、自動的に求人情報を集めるのみならず、求人広告で広告収入を得る収益モデルを準備している。
ドリコムキャリアに掲載される広告は、求人サイトの広告と個別企業の求人広告だ。つまり、ユーザーが同サイトにて求人を検索した場合、検索結果のページには、検索技術で自動的に集めてきた求人情報と、バナー形式による求人サイトの広告、およびテキスト形式による個別企業の求人広告が掲載される。
求人サイトのバナー広告の場合、例えばユーザーがドリコムキャリアにて「IT企業、営業職」というキーワードで検索を行うと、バナー広告をクリックした先の求人サイトでも、同様のキーワードを元にした求人広告が表示される。一方、個別企業の広告の場合は、広告を掲載する企業に「IT企業、営業職」といったキーワードを選択してもらい、そのキーワードで検索された場合のみ広告を表示させる形式だ。クリック保証型の広告となり、キーワードによって単価は異なるが、最低価格はクリック単価30円からとなる。広告費用に上限を設けることもでき、安価な求人広告の掲載が可能となるため、「主に中小企業をターゲットとして広告を掲載してもらう」と内藤氏は説明する。
今後ドリコムキャリアに追加される予定の機能としては、企業や職種をグルーピングすることで、各求人に関連した企業や職種の求人情報を表示する機能がある。これは、ユーザーの動向によって最適化されるため、現時点では提供されていないが、内藤氏は「6月には導入したい」としている。
ドリコムキャリア (3月29日15時オープン)
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