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WiMAXを使った鷹山の新通信サービスの勝算(前編) - (page 2)

永井美智子(CNET Japan編集部)2005年04月07日 10時00分
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WiMAX Forumとは

 WiMAX Forumとは、802.16準拠の高速無線通信技術を普及させるために2003年4月に設立された業界団体だ。WiMAX製品に対する相互運用性のテストおよび認定を行う。Wi-Fi Allianceが802.11規格の製品を認定するのと同じと考えてよいだろう。これにより、WiMAXに準拠しているものはどのメーカーの製品であっても互いに接続できるようになる。

 世界の通信事業者や通信機器事業者、部品メーカーなどが参加しており、2004年12月中旬時点で220社以上の企業・団体が会員となっている。

 主なメンバーにはAirspan Networks、Alcatel、Alvarion、Analog Devices、Aperto Networks、富士通マイクロエレクトロニクスアメリカ、Intel、Proxim、Siemensなどがいる。日本企業では三菱電機、TDKのほか、KDDIやイー・アクセスが参加している。2005年3月には鷹山も参加した。

 WiMAX Forumでは802.16-2004に準拠した製品のテストを行い、規格に準拠した製品には「WiMAX Forum Certified」というラベルを貼付する方針だ。2005年春には半導体ベンダーからWiMAXに準拠した通信チップが出荷される。WiMAX準拠の通信機器は2005年中に各社から登場する見込みだ。

 WiMAX Forumでは、機器の登場を3段階に分けて予測している。最初に登場するのは個人が家庭で利用する屋外アンテナで、価格は350ドル程度だという。次に家庭内でも利用できるモデムが登場し、価格は250ドル程度となる見込み。その後、ノートパソコンなどに内蔵される通信モジュールが100ドル程度で出てくるとしている。

各国で進むWiMAXの実証実験

 現在、複数の企業がWiMAXのフィールド実験を行っている。たとえば英通信事業者のBTは、802.16-2004のドラフト段階での仕様をベースとしたAlvarion製の機器を使って、英国でフィールドテストを実施している。実験参加者の家庭にアンテナを取り付け、固定無線ブロードバンド接続を提供するというものだ。実験はスコットランドのファイフ州バリングリー、ウェールズのプルヘリ、コーンウォール州ポートレヴェン、北アイルランドのキャンプシの4カ所で行われている。

 ほかにも、米大手移動体通信事業者のT-Mobileは、英国においてWiMAXをバックボーンに利用した公衆無線LANスポットを展開する計画だ。また、英Telabriaは2005年第1四半期から英国ケント州でWiMaxの実証実験を行う計画を発表している。さらに米AT&Tも夏までにWiMAXの実証実験を行うと表明している。

 ただし、正式に規格が承認された802.16-2004規格を使ったフィールド実験はこれからだ。通信機器メーカーのAirspan Networksが2005年6月から世界の通信事業者10社と共同で行う実験が、802.16-2000規格に基づく最初の実験となる。日本からは鷹山とベルネットがパートナーとして実験に参加する予定だ。

 米調査会社Parks Associatesが2004年7月に発表したレポートによれば、2009年末には通信事業者が提供するWiMAXサービスの契約者数が、全世界で700万人に達する見込みという。また、米調査会社In-Stat/MDRは2005年2月に発表したレポートにおいて、2009年には全世界のブロードバンド契約者数の3%にあたる850万件がWiMAXベースのブロードバンドサービスを利用すると予測している。

日本国内の普及に向けたWiMAXの課題とは

 このように普及が見込まれるWiMAXだが、日本国内の普及には大きく2つの課題が挙げられる。1つは周波数の問題だ。現在、日本ではWiMAX用に準備された周波数帯がない。2.5GHz帯は携帯電話事業者が、3.5GHz帯は放送事業者がすでに利用しており、5.8GHz帯は気象レーダなどに使われているからだ。ただ、総務省が5GHz帯の再編に伴ってWiMAX用に周波数を用意する可能性もあり、関係各社は総務省の動向に注目している。

 もう1つは市場ニーズの問題だ。WiMAXは有線インフラを敷設するよりも設備コストが安く済むため、中国やインドなど、インフラ整備が進んでいない広大な地域でメリットがあるとされている。逆に言えば、すでにFTTHやADSLなど有線インフラの設備が整った日本の都市部では、市場がどこまで広がるかという点で不透明な部分がある。

 802.16eを利用した移動体サービスへの期待は高いが、サービス開始時期は2007年から2008年になるとみられている。NTTドコモは下り最大14.4MbpsのHSDPAを使ったサービスを2006年3月までに提供開始する計画で、802.16eの高速性がどこまで市場にアピールするかは利用料金や端末の魅力にもよるだろう。

 2005年12月から本サービスを開始する計画の鷹山は、このような課題をどのように考えているのだろうか。また、具体的にどのような事業プランを描いているのか。この辺りを次回に取り上げる。


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