Eolas TechnologiesがMicrosoftを相手取って起こした特許侵害訴訟で、Microsoftは裁判所に対し、ソフトウェア輸出に関する問題の再審を行うよう求めた。Microsoftはこの問題について、業界全体にとって極めて重大と主張している。
米国連邦巡回控訴裁判所(CAFC)は今月初め、Microsoftに5億6500万ドルの損害賠償支払いを命じた地裁判決を差し戻し、同地裁に再審を求める判決を下した。それを受けMicrosoftは同訴訟の勝訴を宣言したばかりだった。
しかしMicrosoftは3月16日付で裁判所に書類を提出し、CAFCによる判決の中で自らの主張が認められなかった部分について、再審を行うよう要求している。同判決の中でMicrosoftが問題視しているのは、海外で「ゴールデンマスタ(ソフトウェアの最終的な製品版)」から製造したソフトが米国特許法の適用対象となるという部分だ。
問題は、ある企業がゴールデンマスタディスクを外国に送り、現地のOEM(相手先商標製品の製造メーカー)がコピーを製造した場合、それがソフトの輸出に当たるか否かという点だ。Microsoftは再審の申立書の中で、ゴールデンマスタを出荷する企業は、「発明の構成要素」を輸出しているのではなく、製造を行う海外のOEMに設計指示を送っているに過ぎないとしている。したがって、コピー製品の製造に関し米国特許法を適用すべきでないというのが、同社の主張だ。
Microsoftの弁護団は、大法廷での審問を求める申請書の中で次のように述べている。「判事団の見解は、米国特許法の域外適用を大幅に拡大することで他国の権利を侵害するものである。これは、米国企業を外国の競合企業に対し不利な状況に追い込むものだ」
しかし、カリフォルニア大学は、Microsoftによる今回の再審の申し立てについて、控裁判決の重要部分については同大が勝訴したことの証左だと主張している。カリフォルニア大学は同大からスピンオフしたEolasと共に、この特許権侵害訴訟を起こした。
カリフォルニア大の広報担当、Trey Davisは、「(Microsoftの申し立ては)CAFCの判決において同社に不利なこれらの部分が特に重大だと、Microsoftが考えていることを意味する」と述べ、さらに「それは、同訴訟における損害賠償の問題に関わってくる」と付け加えた。
地裁が当初Microsoftに支払いを命じた、カリフォルニア大学とEolasに対する損害賠償額は5億2100万ドルだった。だが、この額はその後、5億6500万ドルに引き上げられた。この賠償額には、海外での売上金も含まれている。仮にMicrosoftが特許権侵害問題で敗れてもゴールデンマスタ問題で勝利すれば、次回の判決では損害賠償額が大幅に減額される可能性がある。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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