MSがVisual StudioとMSDNの構成要素を変更--MSDNユニバーサルの実質的な値下げ

 マイクロソフトは3月22日、2005年後半に出荷する開発ツール「Visual Studio 2005」のブランド戦術の一環として、Visual Studioそのものを含んだ現状の開発者向けサービス「MSDN」(Microsoft Developer Network)のサービス内容を従来よりも安価で出荷することを明らかにした。

 MSDNは、Windows OSやVisual Studioなどマイクロソフト製品と技術情報で構成する開発者向けの定期購読サービスである。MSDNは有料サービスであり、MSDNの購読者は、配布されるCD-ROMに含まれるソフトを開発用途に利用できる。マイクロソフト製品の定期的なアップグレードや技術情報の入手手段はMSDNに限られている。

マイクロソフト デベロッパーマーケティング本部 プロダクトマーケティング部の北川 裕康部長

 Visual StudioはMSDNの配布CD-ROMに収録されており、企業が開発ツールであるVisual Studioを使いこなすためには、MSDNに入会するのが一般的だった。すなわち、Visual StudioはMSDNの一部であるという位置付けになっていた。マイクロソフトは、これを改め、Visual Studioブランドを際立たせる目的で現状のMSDNのサービスをVisual Studioに含めるという戦術を1月に発表。これに合わせて現行のMSDN購読者をMSDN相当のサポートサービス付きのVisual Studioに移行させる。

 今回マイクロソフトが明らかにしたのは、MSDNからVisual Studioへの移行に際し、現状ユーザーが受けているMSDNのサービス内容を実質的に1段階グレードアップできるケースがあるという点である。具体的には、現状の「MSDNエンタープライズ」の購読者は、Visual Studioに移行すると現状の「MSDNユニバーサル」と同等のサービスを受けられるようになる。現状のMSDNユニバーサルは「Visual Studio .NET Enterprise Architect 2003」を含んでおり、MSDNエンタープライズは「Visual Studio .NET Enterprise Developer Version 2003」を含んでいる。

 背景には、現行のMSDNは提供するサービス内容の違いにより5種類の形態に分かれているが、Visual Studio 2005の出荷時点では上位2サービスであるMSDNユニバーサルとMSDNエンタープライズを1サービスに統合化することで4種類に減るという状況がある。

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