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IPAがオープンソースソフトウェアの性能評価手法、障害解析ツールを公開

別井貴志(CNET Japan編集部)2005年03月22日 19時39分
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 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)と日本OSS(オープンソースソフトウェア)推進フォーラムは3月22日、OSSの性能や信頼性の評価手法や、障害発生時の解析支援ツールを開発し、その成果を公表した。日本OSS推進フォーラムは、情報システムのユーザやベンダ、学識経験者などの有識者が、OSSの利用上の課題について自由な立場で議論して、課題の解決に向けて取り組んでいくために設立され、IPAが事務局を務めている。

 まず、OSS性能・信頼性評価手法については、OSSがどこまで使えるのか、どういった課題があるのかを的確に評価する必要性が高まっており、そうしたニーズをに応えるために、アプリケーションサーバやデータベースサーバ、Linux OSの性能・信頼性の評価について、評価手順書と環境定義書を公開した。これらの文書は、評価環境の作成に必要なソフトウェアのインストールから評価までを具体的なコマンドベースで記述してあるので、ユーザや開発者、システムベンダなど誰でも同じ手順で評価を再現できる。

 アプリケーションサーバでは、OSSで代表的な「JBoss」についてベンチマークツール「SPECjAppServer2004」を使った性能評価手順や、商用ソフトウェア「WebLogic」との比較評価手順を確立した。JBoss4.0.0の評価結果では、(1)比較的小規模なウェブシステムに適用可能、(2)クラスタ化することで拡張性を得られるがHTTPセッションの複製を行うと性能が落ちる、(3)JBoss高負荷時に急激に処理性能や応答時間などが落ちるが、WebLogicには性能劣化は見られなかった、などがわかった。

 OSSの代表的なデータベースサーバ「PostgreSQL、MySQL」については、ベンチマークツールの「OSDL DBT-1」(オンラインショップ用途)と、「OSDL DBT-3」(意志決定支援システム用途)、「pgbench」を使った評価手順を確立し、ツールの改造部分のソースコードも公開した。ツールの評価結果では、(1)1つの目安として単体で秒間50〜150トランザクション程度のシステムに適用可能、(2)チューニングにより性能は2倍以上に向上させることができるので、個別のシステムごとに最適化して利用することが有効、などがわかった。

 また、Linux OSの評価では、ファイルシステム用ベンチマークツール「Iozone」を使ったI/OとCPUの高負荷状態での評価手順と、カーネル性能解析支援ツール「LKST」「oprofile」によるボトルネック解析手法、ベンチマークツール「diskio」の開発とファイルI/Oの評価手法を提供する。

 一方、Linuxでは障害解析ツールの不足から障害原因が特定できなかったり、ツールを利用するノウハウが不十分であったりしたことから、今回3つの障害解析支援ツールを開発した。

 1つめは、ファイルやメモリの内容を表示・記録するダンプデータ解析ツールの「Alica」だ。既存のダンプツール「crash」と連携し、解析に必要な情報をメモりダンプから迅速に抽出する。2つは、カーネル性能評価ツールの「LKST」で、中核部分のLinuxカーネルから、障害解析用のデータ取得機能に加えて性能情報を取得できる機能を開発した。取得したデータのグラフ化も可能だ。3つめは、ディスク割り当て評価ツールでの「DAV」で、ディスク上にあるデータアクセス性能の劣化原因の1つである断片化状況の取得、ビジュアル化が可能になった。

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