フォトレポート:医薬品業界への導入が進む無線ICタグ、東大病院にて実証実験

藤本京子(CNET Japan編集部)2005年03月22日 20時33分
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 YRPユビキタス・ネットワーキング研究所、ユビキタスIDセンター、東京大学医学部附属病院、東京大学大学院情報学環、NTTデータ、三菱ウェルファーマは共同で、3月14日から18日までの期間、「ユビキタスID技術を活用した医薬品流通実証実験」を実施した。この実証実験のデモが3月22日、東京大学医学部付属病院にて公開された。

 この実証実験は、製薬メーカーで製造された実験用サンプルの注射剤に、モノを識別できる番号を持った無線ICタグの「ucodeタグ」を添付することで、各流通拠点における流通履歴を記録し、検品を実施するというもの。製薬メーカーから物流センター、医薬品卸、病院薬剤部までの各拠点において、ucodeタグの読み取り装置(リーダー)を設置し、入出荷情報や医薬品情報(品名、ロット番号、成分、使用期限など)を確認するデモが行われた。

 これまで医薬品の流通にはバーコードが使われていたが、医薬品は製品自体が小さいため、個々の製品にバーコードを貼り付けるには限界があった。バーコードに代わるものとして無線ICタグの実験が行われたわけだが、東京大学医学部付属病院 薬剤部副薬剤部長 中島克佳氏は、「ICタグは小型で、バーコードの弱点を補えるほか、複数の製品情報を一括で読み込むことも可能なため、多種多様の製品を一元管理する際に大変便利だ」と述べている。また不良品を回収する際も、「これまでは各流通経路にて個別に製品を探さなくてはならなかったが、このシステムを利用すれば、不良品がどこに何個あるかがすべてわかるようになっている」(中島氏)としている。

 実験に使われた注射剤は3種類で、合計約400本。これら400本の注射剤を実際の流通経路に乗せ、無線ICタグを用いた医薬品の追跡管理(トレーサビリティ)の有効性や利便性、課題などを検証した。

黄色いucodeタグが添付された医薬品。今回使われたのは、富士通製の13.56MHzの無線ICタグ。

小型のリーダー(右)で、箱の中にある個別の製品と外箱の情報を読み取り、両者をひもづける作業が行われる。

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