IBMは4日(米国時間)、1秒間に70兆7000億回の演算が可能な新バージョンの「Blue Gene/L」を発表した。これでBlue Gene/Lが、スーパーコンピュータランキング第1位の最有力候補となった。
Blue Gene/Lの70.7テラフロップというスピードは、Silicon Graphics(SGI)が10月に「Columbia」システムで発表した42.7テラフロップや、フル構成のColumbiaで達成したとされる51.9テラフロップをはるかに越えている。IBMとSGIは、世界最速スーパーコンピュータTop500リストでの首位の座をめぐって争っているが、Top500リストは8日に更新される予定だ。
さらにBlue Gene/Lの最新スピードが、これまで2年間Top500リストの首位の座をキープしてきたNECの「地球シミュレータ」を上回るのは間違いない。IBMによると、Blue Gene/Lの規模は来年5月には、16個のラックと1万6000基以上のデュアルコアプロセッサという現行構成から4倍になる予定だという。そうなればBlue Gene/Lのリードはさらに拡大するだろう。
フルバージョンのBlue Gene/Lは、理論的には最速360テラフロップに達する見込みだ。だがTop500リストでは、より現実的な方法で計測されたマシンの持続性能が評価の基準とされている。IBM Researchのシステム担当バイスプレジデントTilak Agerwalaによると、フルバージョンのシステム効率は現行モデルと同程度で、実測性能は約270テラフロップに達する予想だという。
こうした性能改善の軌跡は、現在ローレンス・リバモア国立研究所のコンピュータ用施設の名称にも表れている。かつては大功績だった1テラフロップのスーパーコンピュータにちなんで付けられた「Terascale Computing Facility」という名称は、すぐにも時代遅れになりそうだ。
「わずか数年前までは、テラスケールのコンピューティングレベル達成は夢の話だった。わずか数年の間にわれわれはテラスケールを突破し、ペタスケール(1秒間に10の15乗回の演算が可能)に向かっている。今はコンピューティングの進展がめざましい」。ローレンス・リバモア国立研究所のAdvanced Simulation and Computingプログラムディレクター代理Lynn Kisselは述べている。
同研究所とIBMの協力関係は、Blue Gene/L以降も継続される予定だ。「これまで言い続けてきた通り、われわれはBlue Gene/Lを、ペタフロップ・コンピューティングに向かう現実的な道筋の通過点だと捉えている」(Kissel)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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