Open Source Development Labs(OSDL)の最高責任者Stuart Cohenは、SCOによる悪名高いLinux訴訟について、Linux陣営にとっての大きな収穫もあったと述べた。
OSDLの最高責任者Stuart Cohenは現地時間7日夜、ロンドンのクイーンメリー大学で講演を行い、SCO訴訟がもたらした遺産として、Linuxのソースコードが徹底的に精査されたことが挙げられると述べた。Cohenが率いるOSDLは、Linux界で最も影響力のある団体の1つだ。同団体には、Linus Torvaldsやリードカーネル管理者のAndrew Mortonも所属している。
「Linuxのコードやたくさんのソフトウェアが徹底的に調べられたおかげで、コードには何のリスクも、問題もないことが証明された。SCOの訴訟問題は、あらゆるウェブサイト、新聞や雑誌をにぎわせた。訴訟の動向には、誰もが注意を払っていた。SCOが2003年から2004年にかけてエンドユーザーを訴えたことで、企業のCTOやCIOたちは慎重にならざるを得なかった」とCohenは述べ、「その結果、市場で何が起こったか。人々は、訴訟の決着がつくまで待とう、とは言わなかった。どちらかと言うと、(訴訟は)Linuxの普及促進に役立った。Linuxにとってこんなに良い話は過去にもなかった」と付け加えた。
また講演のなかでCohenは、SCOの訴訟は「ほぼ終わりかけている」とも述べた。
SCOは、IBMが同社との契約に違反して、Unixに使われていた技術をLinuxやUnix製品のAIXに移植したとして、2003年にIBMを訴えた。SCOはIBMに50億ドルの賠償金を要求している。
SCOはRed HatとNovellに対しても訴訟を起こし、ライセンス料の支払いに応じなければ、Linuxを使用するユーザー企業へと訴訟の対象範囲を拡大すると脅迫した。
IBMとSCOの間で争われている訴訟を担当する判事は先ごろ、SCOの主張を骨抜きにしようとするIBMの試みに異を唱えた。しかし、判事はSCOの主張を「理解できない」とも述べた。
SCOは財政難に陥っている。同社は、売上が減少しているだけでなく、NASDAQ上場廃止の危機に直面している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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