ニッポン放送が予定している新株予約権の発行に関して、ライブドアが発行を差し止める仮処分を申請していたが、東京地方裁判所は3月11日、差し止めを命じる仮処分を決めた。
ニッポン放送は、2月23日にフジテレビを割当先として1株5950円で、発行済み株式総数の3280万株を1.4倍も上回る4720万株(最大で)を購入できる予約権の発行を決議した。ニッポン放送を傘下に収めるべく株式の買い増しを進めていたライブドアは、すかさず翌24日にこの予約権発行の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申請していた。その後、ニッポン放送とライブドア双方の主張を聞く審尋が、3月1日と4日の2回、非公開で行われた。
ニッポン放送は今回の決定に対して「当社の正当性を確信しているので、直ちに東京地裁に『異議申し立て』の手続きを行う」としている。
これに対して、ライブドアは11日夜に記者会見を行った。堀江貴文代表取締役社長兼CEOは冒頭「我々の主張が認められて大変うれしい」と感想を述べた。
そして「ニッポン放送への資本参加やフジサンケイグループとの事業提携を通じて、メディアとインターネットを融合した事業を展開することで、お互いの企業価値や株主価値を向上させられると確信している。提携などに関する話し合いのテーブルについてもらえる可能性は高まったのではないか」とし、これまでどおり、フジサンケイグループに対して事業提携を呼び掛けていくことを強調した。ただし、「フジテレビには面会を申し入れているが、なかなか会えない状況が続いている」と言う。
また、「ライブドアを世界でもっとも強い『メディア』、『IT』、『フィナンシャル』のグループにしていきたい」と、さらなる決意も表明した。
この一方で、ニッポン放送が上場廃止になる可能性について堀江氏は「上場廃止に持っていく考えはない。ニッポン放送にもそういう考えになってほしい」と述べたものの、「上場廃止を避けられる具体的な策はいまのところない」と付け加えた。ニッポン放送株式については、「さらに市場で買い進めて過半数を握りたい」と強気の姿勢を継続する。
なお、新株予約権の発行については、ニッポン放送の株主の1人で1500株保有(保有比率0.005%)している下野順一郎氏も、同地裁に対して3月4日に発行を差し止める仮処分を申請しており、3月15日に審尋が予定されている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス