マイクロソフトは2005年中に、ネットワーク経由でファイルサーバのデータをディスクにバックアップ/リストアするサーバソフト「Data Protection Server 2006」(DPS)を出荷する。サーバ数で5台〜50台程度の中小規模のWindowsネットワーク向けの製品である。
DPSの位置付けは、バックアップ/リストア機能を持つストレージシステムを新規に導入するのではなく、既存のWindowsネットワークに追加することによってバックアップ/リストアにかかるコストを低減するというもの。既存システムに追加する必要があるのは、ファイルサーバに導入するDPSのエージェントだけである。ただし、Windowsネットワークはディレクトリサービス製品のActive Directoryで管理されている必要がある。
米MicrosoftのGeneral ManagerであるRakesh Narasimhan氏 |
DPSの動作の実際はこうである。(1)IPネットワーク経由で、ファイルサーバ上で変更のあったデータを定期的にDPSへ転送する。転送スパンは、1分に1回とか1時間に1回など自由に設定できる。(2)DPS内部で、定期的にファイルサーバのスナップショットをDPSのディスク上に作成する。スナップショットの作成スパンもまた、1分に1回とか1時間に1回など自由に設定できる。
データ保護製品を統括する米MicrosoftのGeneral ManagerであるRakesh Narasimhan氏は、「バックアップとリストアにディスクを使うことで、システム管理者の人件費を大きく削減できる」と語り、バックアップの指定とリストアが誰にでも簡単にできる点を強調した。ディスクはテープと異なり、差分バックアップのスケジュール作成といった複雑なバックアップポリシーを設計・運用する必要がないからだ。人件費のコストから見ればバックアップ媒体のコストの差は問題ないという考え方である。ディスクの市場価格の下落によりバックアップ用途として一般的になったという状況もある。
DPSの価格は未定だが、「市場競争力のある(安い)価格にする」(マイクロソフト、サーバープラットフォームビジネス本部Windows製品部シニアプロダクトマネージャの高田信純氏)という。初期版でバックアップ可能な資源はWindows 2000以降のファイルサーバに限るが、次期版ではデータベース管理ソフトのSQL ServerやメールサーバのExchange Serverも対象に加える。このほか、他社製品をDPSに対応させる需要を受け、DPSに対応するために必要なAPIを公開するという。
なお、ベータ版は4月に提供を始める。ベータ版の提供を含め、DPSの情報は同社のサイト「http://www.microsoft.com/DPS/」で閲覧できる。
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