--IPの統合が完了し、音声、映像、データのすべてをIPネットワーク上で扱うことができるようになれば、通信サービス分野の収入は減るのでしょうか。
通信事業者にとって、この分野は重要な収益源となってきましたが、今後は収入減を余儀なくされるでしょう。しかし、消費者は新しいサービスをどん欲に求めていますから、新しいサービスを投入することで、これまで以上とはいかなくても、同等の利益を上げることができるはずです。
そのよい例が携帯電話です。1分あたりの単価は下がりましたが、通話時間は増えています。携帯メールが普及し、画像の送信や着メロのダウンロードも盛んに行われるようになりました。つまり、1分あたりの通話料収入は減っても、全体の売上は増えているのです。
固定電話市場でも、同じ現象が起きると考えなければなりません。音声通話収入は減るかもしれませんが、新しいサービスを開拓する余地はあります--従来の音声通話とは別に、テレビ電話サービスを始めるとか、着メロを変更できるようにするだけでなく、MP3のダウンロードや画像の共有も可能にするとか。多彩な機能とサービスを提供することで、通信事業者はこれまで通り、重要な役割を果たすことができるようになるでしょう。
--今後の注目技術についてお伺いします。CiscoがXMLルーティングに取り組んでいるという話は本当ですか。 詳細を教えてください。
この分野では大きな発表は行っていません。Ciscoの今後の方向性には大きな注目が集まっています。そのひとつがアプリケーション・レベルのネットワーキングであることは、過去にもお話した通りです。
具体的な回答を求められた場合は、XMLやその他のメッセージ・パッシング技術を具体例として挙げています。大まかな方向性としては、アプリケーション指向ネットワーキングへの取り組みを拡大することになるでしょう。現時点ではっきりしているのはこの程度ですが、これは短期的な目標であり、長期的な目標ではありません。年内にはもっと詳しい話ができると思います。
--6つの先進技術の合計が、Ciscoの総売上に占める割合は16%から19%に上昇しました。この分野が現在の主要事業であるイーサネット・スイッチとIPルーターをしのぐ日は来るのでしょうか。そうだとすれば、その時期は。
全社の業績に影響を及ぼす事業とは、売上が10億ドルを超え、かつ高い成長率を維持できる事業です。現在、先進技術分野の売上は10億ドル前後ですので、現在の成長がこれからも続くようなら、業績を左右する重要な分野になると思います。
--先の四半期決算発表の際に、CEOのJohn Chambersはストレージエリアネットワーキング分野の売上が前年に比べて70%成長したと発表しました。これは6つの先進技術のなかで最も高い数字です。ストレージが急成長したのはなぜですか。
この数字は、どんなに強固で安定した技術でも、ユーザーがそれを十分にテストし、導入するまでには時間がかかることを示すものです。売れ行きが本格化するまでにも、やはり相当な時間がかかります。
Ciscoが最初のストレージネットワーキング製品を発表したのは、およそ2年前のことでした。当時の競合製品と比べると、この製品は1世代かそれ以上先を行っており、たくさんの価値と付加機能を顧客にもたらしました。現在のバージョンは安定性、セキュリティ、信頼性のどれをとっても万全です。売れ行きにもようやく、勢いがついてきました。
私は顧客が新しい製品を調査し、試験し、理解するまでには約1年はかかると見ています。現在この市場ではCisco製品の売上が伸びていますが、これは製品の中身が評価されたからであり、また大手ストレージ企業と良好なパートナーシップを構築してきたからです。
ホームネットワーキングとIPテレフォニーの分野も急速に成長しています。比較的成熟しているセキュリティ市場でも売上は非常に伸びています。
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